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オバマ米大統領が金融機関への新規制を提案、株価は大幅安

 1月21日、オバマ米大統領は、金融機関のリスクテークに関する諸制限を一段と厳格化するよう提案(2010年 ロイター/Kevin Lamarque)

 [ワシントン 21日 ロイター] オバマ米大統領は21日、金融機関のリスクテークに関する諸制限を一段と厳格化するよう提案した。政権が2年目を迎えるなか、低迷する支持率の底上げにつなげたい意向があるとみられている。

 大統領の提案は、一部の金融機関にとって最も収益性の高い業務を制限する内容となっている。発表を受け、この日のニューヨーク市場で株価は下落。銀行株が大幅安となり、ドルも売られた。

 提案に盛り込まれたのは、1)銀行業務を行う金融機関によるヘッジファンドもしくはプライベート・エクイティ・ファンドへの投資や保有・出資の禁止、2)すでに制限がある預金に加え、負債など預金以外の資金源も考慮した、金融セクター全体における銀行の新たな規模制限の導入、3)自己勘定取引の禁止──など。

 自己勘定取引は金融機関に大きな利益をもたらすものの、市場のボラティリティも高める。オバマ政権はこの自己勘定取引が2008年の米金融危機の一因になったとみている。

 大統領は記者会見で「顧客に奉仕するという中心的使命から金融機関があまりにもかけ離れることを、これ以上見過ごすことはできない。ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドの運営、短期的収益獲得を目的とした一段とリスクの高い投資により、あまりに多くの金融機関が国民の税金をリスクにさらしてきた」とし、「金融機関が闘いを望むなら、受けて立つ用意がある」と語った。 

 大手金融機関は大統領の提案に反発している。米金融サービス業界の幹部を代表する団体である金融サービスフォーラムのプレジデント、ロブ・ニコルズ氏は「自己勘定であれ、顧客資金であれ、トレーディングが金融危機につながったわけではない」と述べ、政府は「特定の取引を恣意(しい)的に禁止し、金融機関の規模に恣意的な制限を設ける」代わりに、リスク管理や企業統治、その他の規制監督体制の改善に重点を置くべきとの見方を示した。

 フォーゲル・ニール・パートナーズの投資ストラテジスト、ラルフ・フォーゲル氏は、証券業務を手掛ける大手行が多大な影響を受けるとし、「自己勘定取引を禁止すれば、市場の流動性が枯渇するだけでなく、ウォールストリートの構造全体が覆される」と指摘した。

  米経済再生諮問会議メンバーのグールズビー氏は提案について、懲罰的な意図はなく、一部の金融機関に関する「大きすぎてつぶせない」という概念をなくし、そうした機関も「経営に失敗すれば破たんする」ということを示すのが目的だと述べた。

 オバマ大統領は発表前に、経済再生諮問会議の議長を務めるボルカー元連邦準備理事会(FRB)議長と会談した。同議長は大手金融機関への規制強化に前向きな立場を取っている。

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