for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

キヤノンが10年12月期に3期ぶり増収増益へ、営業益予想は3300億円

 [東京 27日 ロイター] キヤノン7751.T は27日、2010年12月期の連結業績(米国会計基準)について3期ぶりの増収増益とする予想を発表した。

 1月27日、キヤノンは2010年12月期の連結業績について3期ぶりの増収増益とする予想を発表した。写真は昨年10月に都内の家電店で(2010年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 デジタルカメラを中心に複写機や露光装置など製品の需要回復を見込んでおり、売上高は前年比7.5%増の3兆4500億円、営業利益は同52.0%増の3300億円を見込む。為替レートはほぼ現状の水準を想定した。

 10年12月期の営業利益予想は、トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト17人の予測平均値3445億円とほぼ同水準。当期利益は同51.9%増の2000億円を見込んでいる。10年12月期の配当予想(09年12月期実績は1株当たり年間110円)は公表を見送った。

 売上高に占める海外販売比率が78%(10年12月期計画)と高い同社は業績が為替動向に左右されやすく、今期は1円の円高進行で、ドル/円だと82億円、ユーロ/円だと46億円、それぞれ年間の営業利益を押し下げる。今期の想定レートは、ドル90円(前年実績93円21銭)、ユーロ130円(同130円46銭)とほぼ前年並みとした。

 設備投資は、10年12月期は2200億円(前年度実績2161億円)で前年並みを計画。記者会見した大澤正宏常務は設備投資について「キャッシュフロー内での投資を堅持する」と述べた。

 <デジカメ拡大、複写機・露光装置も巻き返しへ>

 主要部門別の売上高予想では、複写機やプリンターなど「オフィス部門」で前年比7%、デジカメを中心とする「コンシューマ部門」で同5.3%、半導体製造用露光装置など「産業機器その他部門」で同12.1%と、ぞれぞれ増収を見込む。

 回復基調がいち早くみられているデジカメについては今期も販売を強化する。10年12月期の世界市場規模は、前年比5%増の1億2100万台(うち一眼レフが同5%増の1070万台)と予想。同社は、市場平均を上回る6%増の2570万台(うち一眼レフは同6%増の470万台)の販売を計画。09年12月期の実績は同6%減の2410万台(うち一眼レフは同16%増の440万台)だった。

 一方で、回復が遅れている複写機やプリンターは、先進国で新製品の拡大を図るほか、アジア地域向け低価格機種の販売を伸ばす。また、前期に在庫調整で減産を強いられたレーザープリンターの生産能力を増強して販売拡大に取り組む。

 また、露光装置を中心に「産業機器その他部門」の損失は続くが、今期の営業赤字は157億円(前期は759億円)まで圧縮する。半導体用露光装置では、前期に設備売却損や評価損を計上したほか、今年1月にはキヤノンマーケティングジャパン8060.Tの半導体機器部門の統合を完了し、構造改革による赤字削減を図る。また、液晶用露光装置については、テレビ需要の増加で市場拡大を見込む。

 しんきんアセットマネジメント投信・運用部投信グループ長の藤原直樹氏は、キヤノンの今期見通しについて「回復基調にあり、表面上は悪くない。ただ複写機やプリンターなど法人向けセグメントの回復がなければ、同社にとっての本格的な回復とはいえないだろう。11年12月期以降に期待したい。懸念要因としては円高と景気の二番底だ」との見方を示した。

 同時に発表した09年12月期連結業績は、売上高が前年比21.6%減の3兆2092億円、営業利益が同56.2%減の2170億円、当期利益が同57.4%減の1316億円だった。世界的な景気低迷が続いたことで、複写機やプリンター、デジカメ、光学機器などで売り上げが落ち込んだほか、円高が響いた。年間の経費は前年より2320億円を削減したが、2年連続の減収減益となった。

 <オセの今期連結化は予定通りに>

 プリンター欧州大手のオランダ・オセOCEN.ASを買収し、今期中にも連結子会社化する計画。ただ、世界各国の独占禁止法当局の認可を条件に公開買い付け(TOB)する予定のため、今期の連結業績予想には、オセの業績は反映していないという。

 当初は1―3月にもTOBを開始する意向を示していたが、大澤常務は「予定通りに(準備を)進めている」と述べた。TOB価格は1株あたり8.6ユーロだが、一部株主が不満を示している。大澤常務は「TOB価格は適正だ」として、価格を変更する意向はないと強調した。

 (ロイター日本語ニュース 村井 令二 取材協力:伊賀 大記)

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up