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デフレ克服に日銀と一体で「強力な経済政策」=首相施政方針演説

 [東京 29日 ロイター] 鳩山由紀夫首相は29日午後の衆院本会議で、政権発足後初となる施政方針演説を行い、当面の経済財政運営の課題として「日本経済を確かな回復軌道に乗せる」ことを挙げ、2009年度第2次補正予算と2010年度予算の切れ目のない実行で「決して景気の二番底には陥らせない」との決意を表明した。

 1月29日、鳩山首相は施政方針演説で、デフレ克服に向け日銀と一体となった「より強力かつ総合的な経済政策」を推進すると言明。4日撮影(2010年 ロイター/Issei Kato)

 デフレ克服に向け、日銀と一体となった「より強力かつ総合的な経済政策」の推進にも言及した。

 <ガンジーの「7つの大罪」引用、人間を幸福にする経済が「内閣の使命」>

 鳩山首相は「めざすべき日本のあり方」としてマハトマ・ガンジーが「7つの社会的大罪」で指摘した「理念なき政治」「労働なき富」「道徳なき商業」などを引用し、「資本主義社会を維持しつつ、人間が人間らしく幸福に生きていくために、どのような経済、政治、社会、教育が望ましいのか。今、その理念、哲学が問われている」と指摘。

 経済のグローバル化や情報通信の高度化などで、生活が便利になり、物質的に豊かになったとする一方、世界的な金融危機を例にあげ、「私たちが自らつくり出した経済システムを制御できない事態が発生している」と懸念を示した。その上で「人間の幸福を実現するための経済をつくり上げるのがこの内閣の使命」とし、「今こそ、国際競争を生き抜きつつも、社会的存在として地域社会にも貢献する日本型企業モデルを提案していかなければないらない」と強調した。

 <総予算を全面組み換え、日本経済を「確かな回復軌道に乗せる」>

 これから審議入りする2010年度予算案については「いのちを守る予算に転換した」とし、公共事業を削減する一方、「子ども手当」の創設や高校の実質無償化などで社会保障費や文教科学費を手厚くした「メリハリをつけた予算編成ができたことは、政権交代の成果」と主張した。

 10年度予算案は一般会計総額が92.3兆円程度と当初ベースで過去最大に膨らむ。鳩山首相は「財政の規律も政治が果たすべき重要な責任」とし、複数年度を視野に入れた「中期財政フレーム」と中長期的な財政規律のあり方を含む「財政運営戦略」を今年前半に策定し、「財政健全化に向けた長く大きな道筋を示す」と語った。特別会計の整理統合を含めた事業仕分け第2弾の実施を明らかにするとともに、一般会計と特別会計を合わせた総予算の全面的な組み換えに取り組む決意も示した。

 一方、当面の経済財政運営では「日本経済を確かな回復軌道に乗せる」ことを最大の課題と位置づけた。28日に成立した2009年度第2次補正予算と2010年度予算案は「決して景気の二番底には陥らせないとの決意で編成した」と述べ、両予算の執行で切れ目のない景気対策が実行できると指摘。デフレ克服に向けて「日本銀行と一体となって、より強力かつ総合的な経済政策を進める」と強調した。

 <日米同盟は東アジア共同体の前提、普天間移設は5月末までに決定>

 今後の日本の成長には「ピンチをチャンスと捉える」ことが重要と位置づけ、具体的に環境・エネルギー分野と医療・介護・健康分野の「危機」をあげた。

 このうち環境については、2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する目標に対して「大胆すぎる目標だという指摘もある」としながら、「この変革こそが、必ずや日本の経済の体質を変え、新しい需要を生み出すチャンスになる。低炭素社会の実現に向けたあらゆる政策を総動員する」と語った。

 自身が提唱している東アジア共同体構想では「一部の国だけが集まった排他的な共同体や、他の地域と対抗するための経済圏にしてはいけない」とし、日米同盟について「重要性に変わりがないないどころか、東アジア共同体形成の前提条件として欠くことができない」と強調。米軍普天間基地の移設問題に関して「政府として本年5月末までに具体的な移設先を決定する」とあらためて表明した。

 また、政治主導による行政組織の見直しに関連し、省庁再編について「いかなる府省編成が望ましいのか、その設置のあり方も含め、本年夏以降、抜本的な見直しに着手する」と語った。

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