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10─12月機械受注は7期ぶり増、設備投資の回復は緩慢との見方

 [東京 10日 ロイター] 内閣府が10日に発表した12月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比20.1%増の7512億円となった。ロイター事前予測調査の8.0%増を大きく上回った。

 2月10日、10─12月の機械受注は、7期ぶりに増加。写真は2008年12月、自動車工場で(2010年 ロイター/Issei Kato)

 10─12月は7期ぶりに増加に転じ、1─3月も堅調な伸びが予想されている。エコノミストからはポジティブサプライズとの評価とともに、設備投資にようやく明るい兆しが出てきたとの見方が浮上。ただ企業の国内期待成長率の回復は短期的には難しく、反転後の設備投資は当面回復力が乏しいとの見方も根強い。

  <GDP統計の設備投資に注目>

 12月の機械受注が予想以上の増加となったことについて、マネックス証券・チーフエコノミストの村上尚己氏は「これまでの輸出企業の業績改善が、設備投資増加につながり始めていることを示す結果だ。15日発表の10─12月GDP統計でも設備投資が7四半期ぶりに増加に転じる見通しで、日本企業の設備投資活動の明るさを示す統計が続くだろう」との見方を示した。

 ただし、機械受注額の水準はリーマン・ショック前の3分の2以下にとどまっている。

 こうした点からみて、農林中金総合研究所・主任研究員の南武志氏は「設備過剰状態が続いていることも事実。さらにデフレ予想が定着し、売り上げが伸び悩んでいるほか、実質金利も高止まりを続けている。設備投資関連指標の回復ペースは非常に緩やかな状態が長期間続くだろう」とみている。

 津村啓介内閣府政務官は「設備投資自体も12月までに底を打った可能性があるが、国内総生産(GDP)を見て判断したい」と述べた。GDP統計は需要側統計と供給側統計を総合したもので、昨年7─9月まで設備投資は6期連続で減少を続けてきた。リーマンショック以降の日本経済は輸出、生産主導で回復してきたものの、いまだ設備投資や個人消費といった内需に波及せず、デフレも加わり厳しい状況が続いている。BNPパリバ証券の白石洋氏は、生産拠点の海外移転など国内空洞化懸念もあり、08年秋以降の大幅な落ち込みを直ぐに取り戻すようなペースでの設備投資回復は期待できないとみている。

 <製造業は底打ち鮮明、非製造業はもたつく> 

 12月の機械受注は、製造業、非製造業ともに2ケタ増となり、3カ月ぶりに増加に転じた。前年比での落ち込みも1.5%減まで縮小。

 製造業からの受注が前月比17.1%増と2カ月ぶりに増加。ほとんどの業種で増加となった。特に鉄鋼業で大型案件があったほか、精密機械からも半導体製造装置などの受注があったことの寄与が大きかった。化学や鉄鋼など素材型業種が順調に回復してきているほか、加工型は電機や自動車などで底打ちが鮮明となっている。

 一方、非製造業については、内閣府は基調として引き続き弱いとみている。12月単月では前月比22.9%増となったが、通信業の反動増が大きい。卸・小売などを含む「その他非製造業」などは底打ちの動きはまだ見られていない。

 外需は同20.9%増だった。秋以降は11月を除き2ケタの増加を続けており、持ち直しが鮮明だ。

 内閣府は、非製造業がまだ底打ちの動きになっていないことを踏まえて、12月機械受注の判断を前月までの「下げ止まりつつあるものの一部に弱い動きがある」に据え置いた。 

 <1─3月は製造・非製造業ともそろって増加へ> 

 同時に発表された10─12月の機械受注(船舶・電力を除く)実績は、前期比0.5%増となり、08年1─3月以来、7期ぶりの増加となった。製造業の伸びは前期比17.8%増と、統計開始以来最大の伸び。外需の伸びも28.4%増と過去2番目の伸びとなった。非製造業は8.4%減と減少に転じた。

 1─3月の受注見通しも、前期比2.0%増となった。12月にかけての伸びが高かったこともあり、内閣府試算によると、各月の伸びが3.0%減となっても達成は可能。製造業、非製造業ともに増加の見通し。

 09年暦年については、船舶・電力を除く民需の受注額は8兆4762億円となり、10兆円を割り込み、統計を開始した1988年以来、最低の水準となった。3年連続の減少となったほか、前年比26.9%減は過去最大の落ち込み。製造業、非製造業ともに過去最低水準の受注額となった。

 (ロイター日本語ニュース 中川泉記者)

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