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10─12月期GDP:識者はこうみる

 [東京 15日 ロイター] 内閣府が15日発表した2009年10―12月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス1.1%、年率換算プラス4.6%となり、7―9月期の前期比0.0%から明確なプラスに転じた。市場関係者のコメントは以下の通り。

 2月15日、10─12月期実質GDPは年率4.6%増加したと内閣府が発表。写真は都内。1月撮影(2010年 ロイター/Toru Hanai)

●足元堅調だが先行きには懸念

 <コスモ証券 投資情報部担当課長 田口 はるみ氏>

 予想よりも強い数字となったが、実質GDPなどはデフレーターが押し上げた形になっている。国内需要デフレーターなどをみると引き続き弱い。設備投資もプラスとなったが、供給側のデータを加える2次速報値では下方修正の可能性が高いだろう。生産指数は減少を続けており、設備投資に対しては企業が慎重な姿勢を続けているためだ。

 消費も堅調だが、エコポイントなど政府の政策で支えられている面が強い。事前予想を上回った表面上の数字だけをみれば株式市場で好感されるとみられるが、デフレや設備投資など先行きの弱さに焦点が当たれば上値を重くする要因になる。

●過去の数字で債券へのインパクトは限定的

 <日興コーディアル証券 チーフ債券ストラテジスト 野村真司氏>

 10─12月期だけを見れば予想より良いが、7─9月期はゼロ成長になってしまい、姿が変わってしまった。債券市場にとっては、地合いはそれほど悪くない上、過去の数字ということもあり、あまり材料視されないのではないか。ギリシャの債務問題や中国の金融引き締め、米ボルカー・ルールなど、さまざまな要因が年明け以降に出てきている。インパクトは限定的だ。

●伸び率は10─12月がピークだが、踊り場入り回避の可能性

 <農林中金総研 主任研究員 南武志氏>

 景気回復の初期段階としては順調な数字。ただ7─9月期を思い起こすと、一次速報ではかなり高い数字になったが、どんどん下方修正され、今が前期比横ばい。それを考えると、先行き、この数字が本物かどうかは微妙だ。2次速報への影響が大きい法人企業統計調査に注目したい。

 デフレーターがかなり大きく下落しており、デフレ克服には時間がかかりそうで、デフレ克服が専決事項とみる。

 1─3月期は自動車などもそこそこ売れており、前期比年率プラス2%程度の堅い伸びが期待できる。伸び率としては10─12月期がピークの可能性があり、今後は鈍化していきそうだが、景気の「踊り場」入りは回避できるかもしれない。

●予想を上振れ、1─3月期もプラス成長を維持へ

 <マネックス証券 チーフエコノミスト 村上尚己氏>

 2009年10─12月期は前期比プラス1.1%(年率換算プラス4.6%)と、7─9月期から加速した。事前の市場予想を上回る伸びとなったのは、個人消費の高い伸びと前期が下方修正された反動増でほぼ説明できる。

 輸出が前期比プラス5.0%と大きく伸び、これが高成長の大半を稼いでいる。設備投資が前期比プラス1.0%と7四半期振りにプラスに転じたことも成長を後押しした。09年4─6月以降の輸出復調による企業業績の改善が、設備投資復調につながっていることを改めて示した。

 個人消費は前期比プラス0.7%と3四半期連続で高い伸びを維持した。エコポイント、エコカー減税を背景に、家電製品や自動車販売の好調が続いたが、さすがに1─3月は政策効果が一旦息切れするため、消費の勢いは鈍化するとみられる。

 1─3月のGDP成長率は、10─12月の高成長からの反動減が懸念されるが、年率プラス1.0%前後のプラス成長を維持するとみられる。米経済の復調が世界経済回復を後押しする姿が鮮明となる中で、これまで、日本経済を牽引してきた輸出の増勢も衰えない見通しだ。

●外需と政策効果がけん引、当面順調な回復を見込む

 <第一生命経済研究所・主任エコノミスト 新家義貴氏>

 潜在成長率を明確に上回る高い伸びとなり、09年1─3月期を底とした景気回復が持続していることがあらためて確認できる結果だ。特にアジアなどの海外景気の持ち直しに伴って輸出の高い伸びが続き、政策効果の持続から個人消費の増加が継続し、設備投資が7四半期ぶりに増加に転じたことなどが高成長の背景にある。

 10年1─3月期以降についても、当面はプラス2%近い成長が実現する可能性が高く、いわゆる「二番底」や「踊り場」論は次第に姿を消していくとみられる。

 今回の公表に際しては、通常の季節調整のかけ直しに加えて、財貨の輸出入について季節調整法の設定変更が行われた。リーマン・ショック以降の輸出入急減により、季節調整に歪みが生じていた状況を是正することが目的。結果として、08年度後半の落ち込みが一層際立つ形に修正され、09年4─6月期の伸びは明確に上方修正され、その反動から7─9月期は横ばいにとどまる形になった。通常最も重視される季節調整済み前期比の値が変動しているため、景気認識についても若干の変更を迫る結果と言える。

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