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FRBが公定歩合を引き上げ、金融引き締めではないと強調

 [ワシントン 18日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は18日、公定歩合を現行の0.50%から0.75%に引き上げると発表した。FRBによる金利変更は2008年12月以来。ただFRBは、公定歩合の引き上げにより個人や企業への貸し出し金利が上昇することはないと指摘した。

 2月18日、FRBは18日公定歩合を現行の0.50%から0.75%に引き上げると発表。写真はバーナンキFRB議長。1月撮影(2010年 ロイター/Tami Chappell)

 フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は変更されていない。今回の公定歩合引き上げの背景には、金融市場が回復し、FRBによる支援の必要性が薄れたという事情がある。

 FRBは声明で、「今月初めに終了した多くの異例のクレジットプログラムを打ち切ったことと同様、今回の変更はFRBの貸出ファシリティの一段の正常化が目的」とし、「今回の変更が家計や企業への金融状況のひっ迫につながるとは想定していない。経済および金融政策見通しの変更のシグナルとなるものではない」と述べた。

 FRB当局者は全米レベルで、その点を強調している。

 アトランタ地区連銀のロックハート総裁は「FF金利の誘導目標が示しているように、金融政策は依然として緩和的だ」と指摘。

 デュークFRB理事もバージニア州で行ったスピーチの中で、FRB貸し出しの正常化を意味するもので、金融政策見通し変更のシグナルではないと述べた。

 公定歩合の引き上げは、12の地区連銀全てが要請し、全会一致で承認された。19日から実施される。 

 FRBが金融政策と流動性支援策を区別し、今回の措置は引き締めではないと強調しているにもかかわらず、金融市場ではいずれ金融政策が変更される前触れだと受け止めている。

 発表を受けて米国株先物が急落し、米国債先物は下落。金融政策に敏感に反応する2年債利回りは1月末以来の高水準に達した。

 一方、ドル相場は対ユーロで9カ月ぶり高値、対円でも1カ月ぶり高値に上昇。金利先物は、FF金利が9月末までに引き上げられる可能性を約70%織り込む水準となった。これまでは、その可能性が54%だった。

 バーナンキFRB議長は先週、公定歩合を間もなく引き上げる可能性があると述べていたが、このタイミングでの引き上げは驚きと受け止められた。FRBは、公定歩合をFF金利と一緒に変更することが多い。

 三菱東京UFJ銀行(ニューヨーク)のチーフ金融エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「FRBとしては今回の措置について、技術的なことであり政策変更ではないと強調するだろうが、市場では一種の警告と受け止めるだろう」と指摘。「これはFRBのオペ正常化に向けた小さな一歩かもしれないが、広い意味では、FRBは正常化を進めており、正常化は、FF金利をゼロから0.25%という異例の低水準に誘導することではない、ということを示している」との見方を示した。

 しかし、セントルイス地区連銀のブラード総裁は、金融市場が安定していることが今回の措置を妥当なものとしていると述べ、ラプキー氏の解釈を否定。「いずれ何らかの形でFF金利が引き上げられる可能性を示すものではない」と述べた。

 ブラード総裁はさらに、年内に利上げされるとの市場の観測は「行き過ぎ」だして、利上げ時期は2011年になる可能性がはるかに高い、との見方を示した。 

 <景気見通しに変更なし>  

 失業率や個人消費の改善に加え、企業の設備投資が上向いていることから、FRBの米経済見通しは過去数カ月改善した。 FRBはこの日発表した声明で、経済や政策の見通しについて、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催した1月下旬時点からほとんど変更はないとしている。

 2007年に発生した金融危機以前には、公定歩合は通常、FF金利より1%ポイント高い水準だった。 FRBは2007年8月17日に公定歩合を0.5%ポイント引き下げ5.75%にした。この時点で、公定歩合とFF金利のスプレッドは半分に縮小した。2008年3月16日にFRBは公定歩合を0.25%ポイント引き下げ、FF金利とのスプレッドは0.25%ポイントまで縮小した。この2回の公定歩合引き下げは、FRBの緊急会合で決定された。

 FRBはまた、3月18日から連銀窓口貸出の最大期間を28日から翌日に短縮すると発表。さらにターム入札ファシリティー(TAF)の最低応札金利を0.25%から0.5%に引き上げた。 「(FF金利と公定歩合の)スプレッド拡大と貸出し期間の短縮は、預金取り扱い機関に対して短期資金を市場から調達しFRBの窓口貸出制度は予備としてのみ利用することを促す」と説明した。 FRBは、公定歩合とFF金利のスプレッドについて、「0.5%ポイントのスプレッドに照らして様子を見つつ、一段の拡大が必要かどうかを今後見極めていく」との考えを示した。

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