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方向感ない東京市場、ボルカー・ルール法案化は消化できず

 [東京 4日 ロイター] 4日の東京市場は一段と方向感が乏しく、各市場とも活気のない展開が続いている。米財務省が3日、新たな金融規制案(ボルカー・ルール)の法案文言案を発表したが、マーケットは消化難に陥っており、週末の米雇用統計発表までこう着感が強まるとの見方が広がっている。

 3月4日、東京市場はボルカー・ルール法案化を消化できず方向感の乏しい展開となっている。写真はボルカー米経済再生諮問会議議長(2010年 ロイター/Joshua Roberts)

 <円高水準で横ばい、株価の上値重く>

 株式市場では日経平均が狭いレンジで小動きとなっている。2月米ISM非製造業指数などの経済指標が堅調だったほか、ギリシャが総額48億ユーロの新たな緊縮財政措置を発表したにもかかわらず、前日の米国株が小安くなり、東京市場は手掛かり難から様子見ムードを強めた。「海外勢から小口買いが入ったものの、1万0250円以上では国内勢の持ち合い解消売り注文が多い。為替市場で円が高止まりしていることもあり、上値は買いにくい」(大手証券エクイティ部)という。

 米財務省は3日、オバマ米大統領が1月に提示した新たな金融規制案(ボルカー・ルール)の法案文言案を発表したが株式市場の反応は限定的だった。文言案によると、銀行の自己勘定取引が禁止されるほか、ノンバンク大手の自己勘定取引も制限される。また、銀行によるヘッジファンドおよびプライベートエクイティファンドへの出資も禁止される。

日興コーディアル証券・エクイティ部部長の宮原浩之氏は「当初の厳しい案がそのまま盛り込まれたが、これが法案化されるかはまだ不透明であり、特段売り材料にはなっていない。2月米雇用統計や中国全人代開幕を前に無理に動く必要はないとみられているのが、相場こう着の背景だろう」と話している。

 インベストラスト代表の福永博之氏は「ダウは昨年11月中旬から12月にかけて1カ月余り1万0400ドル近辺でもみあった経緯から、足元のもみあい相場が、週末の雇用統計で上下どちらに放れるのか見極めのタイミングかもしれない」と話す。一方、大手証券の株式トレーダーは「自社株買いが増えてきたのはいい傾向だ。このところ3月のSQから株価が上昇する傾向が続いており、今年もそうなると予想している」と述べている。

 <ギリシャ一段落でユーロ反発、主要イベント控え「準備運動」か>

 外為市場では、ギリシャの追加緊急財政措置の発表などをきっかけに、これまで大きく売り込まれたユーロが反発。ユーロ/ドルが一時1.3736ドルと2週間ぶり高値をつけたほか、ユーロ/円も海外市場で一時121.75円と、25日に付けた1年ぶり安値から2円を超える切り返しとなった。ギリシャが発表した対策には実効性など今後の課題も多いが、これまでのユーロ安が急速だったことで「さすがに問題は一段落との見方」(外銀)が広がったという。

 しかし、ユーロや英ポンドなど売り込まれた通貨の切り返しは、きょうの欧州中央銀行(ECB)理事会やイングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会、あすの2月米雇用統計などの主要イベントに向けた「準備運動」でしかないとの見方もある。投機筋はこれまでユーロや英ポンドの売り仕掛けを進めてきたが「下落ピッチが鈍くなったうえに対策まで出ると、さすがに少し売りポジションを削減したくなるところ。しかし英国では、量的緩和拡大観測も一部で流れている。ただのポジション調整と理解しておくべきだろう」(別の外銀)という。

 ユーロや英ポンドが買い戻される一方でドルが幅広く下落したことを受けて、ドル/円は海外市場で一時88.32円まで小幅に下落。昨年12月14日以来3カ月ぶり安値をつけた。ドル/円は欧州通貨の激しい上下動に大きく影響を受ける展開が続いているが、最近の取引レンジ下限である88円に接近してきたことで、市場では一段の円高進行をめぐる警戒感も出始めている。

 <円債市場は小動き>

 円債市場では、国債先物が小じっかりで推移した。先物限月交代や国債大量償還が迫り、下値不安に乏しいためとみられるが、年度末を控えたポジション繰りに終始する状況が続いており、トレンドを形成するには至らなかった。ある邦銀関係者は「2日入札の10年国債の売れ行きがパッとしないなどの話も聞かず、基本的に需給不安は乏しいが、上値を追えるかどうかは別問題」と話した。外資系証券の関係者は「追加緩和の思惑なども浮上せず、米雇用統計を控える中では、新規でポジションを構築しにくい」と話した。

 財務省が4日発表した対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)によると、2月21―27日の対外証券投資は、中長期債が109億円の処分超だった。

「3月期末前で銀行の取得額が減ったうえ、生保が外債を売却するオペレーションに踏み切ったため」(市場筋)とみられている。2月7―13日および2月14日―20日はそれぞれ3000―4000億円規模の取得超だった。

 米連邦準備理事会(FRB)が公定歩合の引き上げに踏み切り、フェデラル・ファンド(FF)金利上げに絡む思惑が浮上する場面もあったが、こうした観測は沈静化しており、ロンドン銀行間金利での日米金利逆転の現象が解消するには至っていない。市場には「処分超の流れが続くかどうかは、期末の懐事情に左右されるのではないか」(邦銀)との見方もあった。

  (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦 ;編集 内田 慎一)

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