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景気の基調判断8カ月ぶり上方修正=3月月例経済報告

 [東京 15日 ロイター] 政府は15日に発表した3月の月例経済報告で「景気は、着実に持ち直してきているが、なお自律性は弱く、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある」とし、「着実に」などの表現を加えて、足元の基調判断を2009年7月以来8カ月ぶりに上方修正した。

 3月15日、政府は月例経済報告で足元の基調判断を2009年7月以来8カ月ぶりに上方修正。写真は銀座を行きかう人々。2009年11月撮影(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 個別項目では個人消費、設備投資、住宅建設、企業収益、雇用情勢の5項目を上方修正するなど国内民間需要には自律的な回復の芽が出つつあるが、物価面をみると、デフレ脱却への道のりはなお遠い。

 <民需に自律的な回復の芽>

 津村啓介・内閣府政務官は基調判断の上方修正について「国内民間需要に自律的な回復の芽が出つつあるとの認識を踏まえたものだ」と説明。背景として、1)生産の持ち直しが続き企業収益が改善する中で、設備投資が下げ止まりつつあること、2)雇用所得環境の悪化にも歯止めがかかりつつあり、個人消費や住宅建設の持ち直し基調がはっきりしてきた──ことを挙げた。

 基調判断に「着実に」との表現を使った理由として、津村政務官は、景気の持ち直しが続いており、「収益、所得面の状況は、景気の足取りに底堅さを与えるものと考えられる」ことを挙げた。

 前例に従うと、月例経済報告では「持ち直し」の上は「緩やかな回復」との表現になる。津村政務官は「景気回復という判断までは、たとえ緩やかという修飾語をつけても、まだあと一歩と思っている」と述べ、チェックすべき項目が残るとの認識を示した。

 景気回復との判断に至るには「現在の生産の持ち直しや企業収益の改善が、設備投資の増加や家計所得の改善を通じた個人消費の増加につながり、収益・所得面と支出面の好循環が起きる形で自律性が見られるようになるのがポイントだ」という。

 <個人消費など5項目を上方修正>

 各論をみると、個人消費は「持ち直している」とし8カ月ぶりの上方修正。政策効果が目立つ自動車や家電のほかに、「今まで比較的弱かった外食、旅行といったサービス関連も含めてすそ野が広がってきた。業種の広がりをもって上方修正にたどり着いた」(津村政務官)という。

 設備投資は「下げ止まりつつある」とし、4カ月ぶりの上方修正。2009年10─12月期の国内総生産(GDP)2次速報では、民間企業設備は若干の下方修正となったもののプラスを維持した。

 住宅建設は「持ち直している」として2カ月ぶりに上方修正した。

 企業収益は「改善している」として6カ月ぶりの上方修正。法人企業統計をみると、10─12月期の企業の経常利益は、コスト削減などから10四半期ぶりの増益となっている。

 雇用情勢は「依然として厳しいものの、このところ持ち直しの動きがみられる」として、失業率や有効求人倍率などの動向を踏まえ、4カ月ぶりに上方修正した。

 <景気判断を上方修正したが、引き続き厳しいデフレ>

 海外市況の影響を受けやすい国内企業物価については、表現を「このところ緩やかに上昇している」に変更した。前月は「横ばいとなっている」だった。

 津村政務官は「現在の大きな需給ギャップを考えると、川上の企業が最終製品に価格転嫁するのは容易ではない。デフレ脱却への道のりは遠い」との認識を示した。

 従来から内閣府は実質ベースに着目して景気を判断してきたが、鳩山政権下では、名目ベースや実質と名目をつなぐ物価動向にも注意を払っている。景気の基調判断を上方修正したものの、物価について政務官は「デフレ状況については、引き続き厳しい状況が続いている」と指摘。多面的に日本経済をみており、基調判断の上方修正とデフレ脱却は別の次元であると述べた。

 <基調判断の先行き、企業収益の改善などを追加> 

 先行きについては表現を変更し、「当面、雇用情勢に厳しさが残るものの、企業収益の改善が続くなかで、海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、海外景気の下振れ懸念、デフレの影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。また、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」とした。生産の持ち直しが続く中で、企業収益の改善について文言を追加。雇用情勢の表現も変更した。

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