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インタビュー:目指すは政界ビッグバン=渡辺みんなの党代表

 [東京 19日 ロイター] みんなの党の渡辺喜美代表は19日、ロイターのインタビューに応じ、みんなの党が目指すのは政界再編・政界ビックバンであると述べ、徹底した国家のリストラ、バラマキ排除、成長国家が再編の軸になると述べた。

 3月19日、みんなの党の渡辺代表はロイターのインタビューに応じ、目指すのは政界再編・政界ビックバンであると述べた。昨年1月撮影(2010年 ロイター/Issei Kato)

 自らを政界再編の「触媒政党」と位置づけ、目指すのは連立の組み替えではないと語った。参院選の結果次第では連立の組み替えも指摘されるが、「民主党がみんなの党の政策を丸呑みするのであれば連立の組み替えに応じても構わない。しかしハードルはかなり高い」と述べ、可能性の低さを示唆した。

 自民党は「崩壊過程に入っている」とする一方、民主党も主張してきたことと現在行っていることとのかい離が甚だしいと酷評。小沢一郎民主党幹事長が純化路線を取り自ら民主党を壊す時こそ「みんなの党の出番だ」とも語り、年内にも政界再編に向けた動きが加速する可能性を示唆した。

 ロイターが3月8─11日に実施した3月個人投資家調査では、参議院選挙で投票したい政党では2位につけ、第3極の勢力として今後の政界再編を左右する勢力に躍進している。現在は衆議院議員5名、参議院議員1名、計6名の小政党。

 インタビューの概要は以下の通り。

 ──世論調査などでみんなの党の躍進が目立つ。現状分析は。

 「民主党の化けの皮がはがれてきた。脱官僚と言いながら、官僚復権のオンパレードだ。特に財務省は、この10年間に橋本行革以来失ったものを全部取り返そうという感じになっている。私が大臣の時にひとつにした日本政策金融公庫からJBIC(国際協力銀行)を分離独立させるなど、そういう魂胆が着々と進んでいる。日銀総裁・副総裁の財務官僚の天下りは認めないと言っていた民主党が日本銀行の3倍近いバランスシートを誇る日本郵政株式会社社長に財務省OBがなり、結局、日銀で失ったものを日本郵政で3倍にして取り返す。言っていることと今進行していることのかい離は甚だしい。国民はそのことに気がつき始めたのだろう。政治とカネの話も昔の自民党と同じではないか。政治体質も田中派時代の一致団結ハコ弁当、親分が右といえば右、左といえば左、あの強権体質が露骨に出てきた。国民はそういうところに嫌気がさしてきたのだろう。民主党も言っていることとやっていることが違うが、自民党に代わって欲しいとも思わない。だからみんなの党に支持が集まるのだろう」

 ──民主党が壊れるときが「出番」と述べている。どういうタイミングで何が起きると見通すのか。

 「まず自民党が崩壊過程に入った。野党になり、存在価値がなくなって、今『学級崩壊』状態にある。新党を創るという動きが出たが、結局鳩山邦夫さん1人のことで終わりそうな雲行きだ。2大政党制が機能していれば、民主党のマイナスは自民党のプラスになる。ところが全くそうなっていない。今の政党体制、民主党対自民党がいかに機能不全になっているかの象徴だ。

 民主党は小沢幹事長がいる間は分裂しない。いずれ小沢さんが純化路線を取り、民主党を自ら壊す。その時こそ、みんなの党の出番だ。

 『純化路線』とは、自民党が壊れると、小沢さんの目標そのものがなくなる。(小沢幹事長の目標は)政権交代によって自民党を完膚なきまでに破壊する(こと)。政権交代を成し遂げ、自民党がいま崩壊過程にあり、これが完全に壊れた暁には、小沢さんの目標はなくなる。そうすると民主党を壊すしかなくなる」

 ──そのタイミングは年内にあるか

 「ある。(参院選の後か前かと言われれば)常識的には参院選の後だろう」

 ──政界再編の行方は。

 「われわれは連立の組み替えではなく、政界再編、政界ビックバンを目指す。再編の軸は、徹底した国家のリストラ、バラマキはしないこと、成長国家を目指すこと。そのためには、大きくなりすぎた政府のサイズを小さくする。脱官僚・地域主権が大事だ。日本の構造問題は、1940年前後に完成した官僚統制・中央集権にある。90年代半ばに破たんした。歴史的な構造を転換することが成長軌道に乗せるには不可欠だ。結党宣言でも、この軸のもとに一大政治勢力を結集するとした。みんなの党は、政界再編の触媒政党であり、政権奪取の暁にはその役割を終える」

 ──政界ビッグバンの時期は。

 「常識的には次の総選挙の後。参院選は政権選択の選挙ではない。民主党が過半数をとるかどうかが最大の争点になる。次の政権選択の総選挙において、最終的な政界再編の国民による政治決定が行われる」

 ──参院選の結果によって、民主党との距離感は変るか。

 「民主党がみんなの党の政策を丸呑みするのであれば、連立の組み替えに応じても構わない。みんなの党のアジェンダがはっきりしている。霞が関改革推進法案、日銀法改正を伴うデフレ脱却法案を準備している。こういうものを全部呑めるであれば、連立の組み替えを検討するが、ハードルはかなり高い。

 なぜなら、霞が関改革推進法案は民主党の最大の支持母体である官公労働組合が最も嫌がる公務員制度改革だ。民主党は人件費2割削減と言いながら、実際は人件費が増えるような政策を取り続けている。本物の改革を行うためには『しがらみ』のない勢力が政権を奪取しなければならない。その意味で、民主党にとっては非常に高いハードルだ」

 ──同じ政策で連携できる人は。

 「自民党にも民主党にもそういう人はいるのだろう。ただ、みんなの党は既に新党をたちあげ、第3極を創ろうとして活動している真っ最中だ。こちらから連携を求めていくことはやっていない。いずれにしても、それぞれがアジェンダを掲げ、選挙で国民の審判を受け、その結果に基づいて再編が行われていく。これが教科書的な常識だ」

 ──鳩山邦夫氏と手を組むことは。

 「鳩山さんが何をやろうとしているかわからない。過去の発言や行動からかんがみると、われわれとは相当異質だという思いがある」

 ──みんなの党の成長戦略の理念は。

 「まず、デフレギャップがあれば、成長は不可能だ。どうやって埋めるかだが、財政政策で30兆円もの需給ギャップを埋めるのは不可能。やはり金融政策が積極的に発動される必要がある。財政金融一体政策が不可欠で、政府と日銀がアコードを結び、政策目標を共有するところから始めなければならない。物価安定目標について日銀は1%としているが、われわれは2%は必要と考える。実質成長2%、名目成長4%、物価安定目標2%、特に政府・日銀の間では物価安定目標2%を共有し、そのために、様々な手段を確保していくことが大事だ」

 「非常時対応のプランとして、政府が日銀に信用緩和策として中小企業のローン債権を買い取り請求できる措置を提案している。日銀は拒否することも可能だが、ロスが出た場合には政府がそのロスを補てんする。たとえば20兆円ローン債権を日銀が買い取り、ロス率が3%であれば、6000億円政府が補てんする。すべて財政出動で30兆円の需給ギャップを埋め、有効需要を作り出すのは不可能。こうしたポリシーミックスでデフレギャップ解消、デフレからの脱却をまずはかるべきだ」

 「そのうえで中長期の成長を確保するためには、現場のチャンレンジ精神、イノベーションが花開くことが大事だ。まず、官僚統制・中央集権をやめさせる。個別の産業は霞が関が規制と補助金で育成していく必要は全くない。国の役割は競争条件を整えることだ。そして成長著しいいアジアとの国境の垣根をできるだけ低くすること。脱官僚・地域主権ができるかどうかが成長のカギを握っている」

 ──参院選の候補者擁立は。

 「2ケタ議席を目指す。とにかくいい人材をできるだけたくさん擁立する方針でやっている。どんどんこれから増え続けていくと思う」

 (ロイター日本語ニュース 吉川裕子 西川洋子)

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