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政策にらみ海外勢は売り時探る、国内年金が買い支えか

 4月2日、普天間基地移設や財政再建など、民主党が重要な政策課題で舵取りを間違えれば、これまで日本株を買い支えてきた海外勢が売りに転じる可能性が指摘されている。写真は民主党本部。2009年7月撮影(2010年 ロイター)

 [東京 2日 ロイター] 普天間基地移設や財政再建など、民主党が重要な政策課題で舵取りを間違えれば、これまで日本株を買い支えてきた海外勢が売りに転じる可能性が指摘されている。

 4月から5月にかけては国内企業の好業績を確認するとして先高期待は根強いものの、7月の参院選を前に民主党の政策が信認を得られなければ、売り時を探る海外投資家がいったん利益確定の動きに出る、という。ただ、その場合でも国内の企業年金が新たな買い手となり、相場が崩れることは考えにくいと声も出ている。

 東京証券取引所が1日にまとめた3月第4週(3月23日―3月26日)の3市場投資主体別売買内容調査によると、外国人が2週連続で買い越した。この期間の日経平均株価は1万0800円付近から3月26日には2008年10月3日以来の1万1000円を一時、回復した。

 新年度に入っても株価の堅調地合いが続いている。大手証券の株式トレーダーは国内勢の売り/欧米年金の買いの構図と指摘。1日は午前中から生損保をはじめとする国内機関投資家が主力株に100億円規模の売りを出しており、上昇を抑えていたが、断続的な欧米年金の買いが相場を押し上げた、という。日銀の追加緩和策を背景とした円安基調や1日に発表された日銀短観が日本株の買い安心感につながっているようだ。国内企業の好決算で一段高が期待されている。

 一方、民主党の有志議員による「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」は、金融政策を中心に財政政策を含めてデフレ脱却に向けた処方せんを議論し、政府が6月にも策定する「中期財政フレーム」や「財政運営戦略」、今夏の参院選のマニフェスト(政権公約)への反映を働きかける。市場では、同議連が一段の円安に誘導する政策を打ち出すことへの期待感から、政治への関心が高まりつつある。

 3月31日の党首討論では、自民党の谷垣禎一総裁や公明党の山口那津男代表が米軍普天間基地移設問題での鳩山由紀夫政権の迷走ぶりを追及した。これに対し鳩山首相は「腹案がある」と反論。政府案の決定は地元の了解が前提になるとの認識を示したほか、5月末までに政府案を固め米国と新しい移設先に理解を求めることを明言した。日興コーディアル証券シニアストラテジストの河田剛氏は、安全保障問題で決着がつかない場合、円売り/ドル買いに振れるものの、同時に政局流動化で株売りの可能性を指摘する。

 また、6月に策定する中期財政フレームなどでの財政再建の具体的目標も、踏み込んだ方向性が示されなければ売り手掛かりとされそうだ。この扱いについて、仙谷由人国家戦略担当相は2日の閣議後会見で、どのような表現で、数値目標を書くのかどうかも含め、今の経済状況を見極めながら判断する考えを述べた。みずほ総研シニアエコノミストの武内浩二氏は「財政再建への方向性とプライマリーバランス(基礎的財政収支)などの数字が合致しないと信頼性が得られず、日本売りにつながる」と懸念する。

 日経平均はリーマンショック前の1万2000円への回復が期待されている。仮に海外勢が民主党政権への政策に失望して売りに転じても、国内企業年金が買い手に回り、株価は上昇テンポを鈍化させながらも上昇基調は続くとの声が聞かれる。一方、邦銀系の株式トレーダーは、年央以降に景気刺激策の効き目が切れ、成長が頭打ちになると株価の上昇も一巡すると予想する。

 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者;編集 橋本 浩)

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