for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

中国GDPが11.9%の高成長:識者はこうみる

 [北京 15日 ロイター] 中国国家統計局が発表した第1・四半期の経済成長率は前年比11.9%となり、第4・四半期の10.7%から加速した。エコノミスト予想の11.5%を上回り、2007年の13%以来の高い成長率となった。

 4月15日、中国国家統計局が発表した第1・四半期の経済成長率は前年比11.9%となり、第4・四半期の10.7%から加速。写真は北京の建設現場。1月撮影(2010年 ロイター/Loic Hofstedt)

 3月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.7%低下した一方、生産者物価指数(PPI)は0.5%上昇した。

 中国経済指標に関する識者の見方は以下の通り。

●成長率は過熱の兆候

<スタンダード・チャータード銀(上海)のエコノミスト、スティーブン・グリーン氏>

 成長は強いが過熱の兆候がある。景気刺激策は既に一部解除されており、問題は当局が景気をより持続的な成長経路に導くことが可能かどうかだ。そうしなければ総合インフレと資産バブルの両方あるいは一方が下期に発生し、2011年に政策の影響でより大きな景気下振れを引き起こすことになる。

●今年の利上げはないかもしれない

<ギャラクシー証券(北京)のエコノミスト、HAO DAMING氏>

 中国は今年まったく利上げしないかもしれない。もし利上げがあるとすれば、最も可能性のある時期は6月か7月だ。

 国内総生産(GDP)伸び率が高く、インフレ率が依然低いことから、個人的には4月が良い時期だと思う。ただ、利上げは人民元の上昇圧力を高める。中国は5月か6月に人民元の緩やかな上昇を開始する可能性が高い。

 CPI上昇率は5月から7月にかけて前年比3%を上回る見通しだ。

 GDP伸び率は徐々に減速し、第2・四半期に約9.5%、第3および第4・四半期にはさらに鈍化するだろう。

●今後数カ月以内に政策引き締めの可能性

<ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(香港)のエコノミスト、ブライアン・ジャクソン氏>

 消費者物価指数(CPI)は今後も上昇傾向が続くだろう。生産者物価指数

(PPI)は強い価格圧力が生じていることを示している。

 3月のCPI上昇率の鈍化を受け、当局者はもうしばらく様子見を続ける可能性があるが、中国経済の過熱リスクを考慮すると、政策引き締めの根拠となる状態に変わりはない。われわれは、今後数カ月で引き締め方向での動きがあると引き続き予想している。

●為替政策の変更、第2四半期末か

<ストーン&マッカーシー・リサーチ・アソシエーツのアナリスト、トム・オーリク氏>

 CPIは、政府が適正と考える範囲内かもしれないが、経済は潜在成長率をかなり上回るペースで成長しており、様々なところにインフレ圧力の兆しがみられる。

 政府は金融政策で苦渋の選択を迫られている。利上げして不動産投資に水を差すか、金利を据え置いて不動産バブルを拡大させるか。後者を選択した場合、インフレ期待が定着する恐れがある。

 人民元政策が直ちに変更されることはないだろう。国内世論と海外世論の双方を満たす妥協的な解決策になるとみられ、人民元政策の変更は第2・四半期末になる公算が最も大きい。 

●金融・為替政策に直接の影響ない

<マッコーリー(香港)の中国経済担当責任者、ポール・ケイビー氏>

 GDPは非常に強い数字となった。ただ、今日発表の指標に特にサプライズはない。金融政策や人民元政策は、こうした統計とは別に議論されている。

 金融政策は、どちらかと言えば、不動産市場の動向に左右されるだろう。人民元政策は、米国など外圧の影響を受ける。

 今日発表の指標はもちろん重要だが、政策への直接の影響はない。

●元切り上げに向けた政策見通し修正される

<ソシエテ・ジェネラルのアジア担当チーフエコノミスト、グレン・マグワイア氏>

 経済活動の統計は予想通りだったが、物価統計は予想よりもかなり弱かった。金利調整が間近と予想していた人にとっては、人民元切り上げに向けた次回の政策措置見通しに変更を加える手がかりになるだろう。

●4月利上げの可能性なくなる

<国信証券のアナリスト、リン・ソンリ氏> 

 CPIが予想を下回ったのは食品価格が主因だ。しかし食品価格が戻すかどうか、特に豚肉については慎重に見ている。5―10月のCPIは3―4%で推移するだろう。

 一連の指標で4月の利上げの可能性は基本的に無くなった。しかし5、6月に金利変更されると考えている。

 人民元は上期中に調整されるだろう。米中ともに一定の妥協が必要だ。6月のG20会合前に実施すると見込んでいる。

●CPI鈍化で人民銀行は6月まで利上げに消極的な可能性

<ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のストラテジスト、ベン・シンプフェンドーファー氏>

 国内総生産(GDP)伸び率は非常に高水準で推移している。政策の引き締めが必要だ。ただ、3月の消費者物価指数(CPI)上昇率が2.4%と予想を下回り、前月から鈍化したことは、中国人民銀行(中央銀行)が6月まで(金利の)引き上げに消極的な可能性があることを意味している。6月にはCPI上昇率は目標の3%に達する見通しだ。要するに今回の指標の数字は危険な組み合わせとなっている。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up