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花王、市場予想下回る3.2%営業増益見通し

 [東京 26日 ロイター] 花王4452.Tは26日、2011年3月期の連結営業利益が前年比3.2%増の970億円になるとの見通しを発表した。新興国での展開や高付加価値商品の投入により、増益を目指す。

 営業利益予想は、トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト14人の予測平均値998億円を下回った。年間配当は1円増配の58円を予定しており、21期連続の増配となる見通し。

 尾崎元規社長は会見で「デフレが進む厳しい事業環境だが、グローバルな成長の加速とともに、環境をキーワードにした新しい視点での高付加価値商品の開発を進める」と述べた。

 天然油脂や石油化学原料など原材料価格が、市況の上昇により140億円程度のコストアップ要因となる見通し。一方、ケミカル事業は値上げを実施するため、差し引き90億円の影響となる。このほか、60億円程度のコスト削減も予定しているが、「さらに上乗せできるように推進する」とした。

 海外展開については、「BRICsをはじめとする新興国の本格的な展開を目指す。すでに進出している中国を最重点国とし、経営資源を多く投入する」と述べた。

 また、海外展開と並んで課題となっている国内化粧品の構造改革については「ビジネスモデルを切り替える。どれだけスピードアップしてできるか、最優先で取り組む」とした。これまでカウンセリングなどで伸びてきた国内化粧品は、消費者の低価格志向やセルフ購入層の拡大など構造が大きく変化している。

 昨年秋に製造・販売を停止したエコナ関連商品は、年間の売上高が200億円だった。前期は下半期分100億円がマイナス影響となったが、今期はフルの200億円となる。ただ、利益面での影響については「機能性食品分野を再開するための研究は続けているが、販売面などは他にシフトして固定費は吸収できている。今期は、利益のマイナスインパクトはほとんどない」としている。

 <低価格志向強まり、プレステージ化粧品が不振>

 10年3月期の営業利益は前年比2.9%減の940億円になり、トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト13人の予測平均値932億円を上回った。

 国内化粧品事業の販売不振やエコナの販売停止の影響などで売上高は同7.2%減の1兆1843億円となった。特に、消費者の低価格志向の高まりにより、高価格帯(プレステージ)化粧品の売り上げが大きく落ち込んだ。為替で378億円のマイナス影響を受けており、これを除くと4.2%減収となる。

 原料価格が低下したほか、80億円のコスト削減を実施したものの、売り上げ減をカバーしきれなかった。

 年間配当は1円増配の57円とし、20期連続の増配を実現した。当期利益は、エコナ関連商品の処理に伴う特別損失計上や繰り延べ税金資産の取り崩しにより同37.2%減となったものの、1円の増配を決めた理由について、尾崎社長は「第4四半期以降の業績改善やキャッシュフローが改善したため」と説明している。

 (ロイター日本語ニュース 清水 律子記者)

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