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ギリシャ問題深刻化でリスク資産離れ、金融危機への進展警戒も

 [東京 6日 ロイター] 東京市場でリスク・リダクションの動きが広がっている。ギリシャ債務危機の影響が他の欧州諸国にも広がる可能性があるとの懸念が強まり、マクロ系ファンドと呼ばれる海外投資家は、債先売り・株買いの反対売買に踏み切ったとみられる。

 5月6日、ギリシャ債務危機の影響が他の欧州諸国にも広がる可能性があるとの懸念が強まる。写真は3日、ギリシャ国旗。アテネで撮影(2010年 ロイター/John Kolesidis)

 市場には「欧州新興国の一部通貨が対ユーロで下落しており、中東欧からの資金流出が広がれば、リーマン・ショックのような金融危機は不可避」(邦銀)との指摘もあり、主要投資家は模様眺めを余儀なくされている。

 <日経平均、一時2カ月ぶり安値>

 株式市場では日経平均が大幅反落した。大型連休中に欧米株式市場が大幅安となった流

れを引き継ぎ、リスク許容度が低下した海外勢による売り注文が殺到。日経平均株価は一

時、前週末終値より350円超安い1万0600円台と、ザラ場としては約2カ月ぶりの安値を付けた。

 ギリシャ問題に関しては「財政リスクに加えて国内のデモによる政権リスクという新たな悪材料が意識され始め、ギリシャ問題への対応が遅れたり、誤ったりした場合、ユーロ安が進行してクロスでドル/円に波及することが、日本株に対する最大の下押し圧力になる可能性もある」(みずほ総研調査本部の長谷川克之・市場調査部長)との見方が多い。

 オーストラリアによる利上げ・新税の導入に加え、中国の預金準備率引き上げもリスク資産離れを誘発した公算が大きい。

 マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは「投資家のセンチメントを悪化させたのは、新興国経済の減速リスクではないか。中国は利上げしないまでも不動産投資抑制政策を進めており、同国や香港の株価は軟調になっている。オーストラリアなどの資源国は利上げを続けている」と指摘する。

 債券市場では、海外ファンドが国債先物の売り持ちを解消したため、中心限月6月限が一時、約2カ月ぶりの140円台に上昇。長期金利は2009年12月22日以来、約4カ月半ぶりの低さとなった。

 <主要投資家は手控えムード>

 しかし、いずれも朝方の取引一巡後は動意が薄らぎ、新規ポジションを構築する動きが限られたのは、今回の混乱が金融システムに影響を及ぼしかねないリスクも伴っているからだ。連休の谷間とあって主要投資家のフローも観測されなかった。

 欧州と国際通貨基金(IMF)が合意したギリシャへの融資規模は3年間で1100億ユーロ。それでもソブリン・リスクに歯止めがかからなければ、資金調達コストの上昇を通じて支援対象が拡大する可能性がある。より経済規模の大きいポルトガルやスペインへの支援が必要になれば、融資規模がさらに膨らみ、支援の中心になり得るドイツやフランスが負担に耐えられるかどうかは不透明だ。

 市場では「ポルトガルは、公的債務の大きかったギリシャと異なり、民間金融部門の海外借り入れが大きいため、金融システムにダイレクトに影響を与える可能性がある」(みずほコーポレート銀行の唐鎌大輔マーケット・エコノミスト)との懸念もくすぶる。

 JPモルガン証券の黒田真琴ストラテジストは「欧州銀行のエクスポージャーを意識してドル資金調達市場でもLIBORフィクシングが急騰しており、金融システムリスクを抑えるという目的での緩和策が欧州中央銀行(ECB)や米連邦準備理事会(FRB)に期待される局面にまで達している」と指摘。「リーマン・ショックと同様にリスクの震源地に対する実際のエクスポージャーが限定的でも、インターバンク市場での資金調達難が危機に発展する可能性はあり、LIBORの急上昇やレポ市場の流動性低下が続くことには注視が必要」とみている。

 (ロイター日本語ニュース 山口 貴也記者 ;編集 山川 薫)

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