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ポスト鳩山に参院選のハードル、党勢回復なければ短命リスクも

 [東京 2日 ロイター] 鳩山由紀夫首相の辞任表明を受け、後継首相の人選に関心が集まっている。民主党は4日午前11時から党所属国会議員による両院議員総会で代表選を行うが、2日午後の段階で出馬表明は出ていない。

 6月2日、鳩山首相(写真)の辞任表明を受け、後継首相の人選に関心が集まっている。1月撮影(2010年 ロイター/Toru Hanai)

 党内では菅直人副総理兼財務・経済財政担当相らの可能性を指摘する声が出ているが、民主党への逆風が強まる中、新内閣で党勢回復が図れなければ、目前に迫った参院選の結果次第で短命に終わる可能性も否定できない。

 鳩山首相の辞任表明を受け、民主党は2日午前の常任幹事会で、4日に両院議員総会を開いて新代表を選出することを決めた。新首相による組閣は7日になる見通しだ。

 党内からは、最有力と目されている菅副総理のほか、仙谷由人国家戦略担当相、前回の代表選を鳩山首相と争った岡田克也外務相らを推す声が出ているが、2日午後の段階で各氏は正式な意思表明をしていない。原口一博総務相は午後の臨時閣議後に記者団から代表選に出馬する意思を問われ「まったく考えていない」と語った。

 鳩山首相の後継となることが確実な民主党の新代表は、「政治とカネ」の問題や、米軍普天間飛行場の移設問題の迷走などで国民の視線が厳しさを増す中で、目前に控えた参院選に向け党勢を回復できるかがカギとなる。

 同党の渡部恒三・前最高顧問は、鳩山首相とともに小沢一郎幹事長が辞任することになったことで「民主党が支持を取り戻せる」と期待感を表明。それでも、ある若手議員は「ここまで支持率が落ちていれば、参院選までに国民の信頼を回復させるのは難しいのではないか」と、ため息交じりに語る。

 民主党は、参院選を目前にして鳩山・小沢体制に幕を引くことで反転攻勢のきっかけをつかもうと躍起だ。首相の突然の辞意表明の背景に「長引かせると野党の攻勢に会う」(政治アナリスト・伊藤惇夫氏)との思惑も見え隠れする。渡部恒雄・東京財団上席研究員も、支持率低下の要因だった鳩山・小沢両氏が辞任し、新しいガバナンスができることで、結果として、参院選での「大負け」が「小幅の過半数割れ」まで戻るだろうとみる。

 しかし、自民党など野党も首相辞任を受けて「国民の目をごまかす交代劇」と一斉に批判し攻勢を強めている。参院選で民主党が敗北し、連立政権を組んでいる国民新党を加えても過半数割れとなった場合、国会運営が厳しさを増すことは避けられない。参院選後の政界再編の動きはなおくすぶっており、そのカギ握るのは、公明党とみんなの党とみられている。

 <政策面では、財政再建の方向性共有が重要課題に>

 一方、政策面では、市場関係者を中心に先進国で最悪の財政状況を抱える日本が財政再建に向けてカジを切れるかどうかに注目している。最有力視される菅副総理と鳩山首相の政策で最も異なる点は消費税の扱いで、菅副総理は消費税増税の議論も避けない姿勢を強調してきた。6月中に閣議決定する予定の「中期財政フレーム」と「財政運営戦略」では、消費税を含む抜本税制改革への道筋を明確に示し、根拠を明確にした財政再建路線を内閣の総意としてまとめ上げることができるかが焦点となりそうだ。

 ただ、連立を組む国民新党は大規模な財政出動を要求しており、バークレイズ・キャピタル証券・チーフエコノミストの森田京平氏は「財政再建へのこだわり度合いが連立内での次の争点となるリスクがある。沖縄問題が社民党との争点であったが、今度は財政再建の方向性が共有されるかが新内閣の重要な課題となる」と分析している。

  (ロイターニュース 伊藤 純夫、吉川 裕子、編集:田巻 一彦)

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