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深刻な資金流出ない限り、ユーロ買い協調介入ない=みずほ証

 [東京 3日 ロイター] みずほ証券・チーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏は、ユーロ圏からの資金流出の深刻化や急激な株安などが生じない限り、日米欧によるユーロ買い協調介入はないとの見方を示した。ロイターの取材で述べた。

 6月3日、みずほ証券・チーフマーケットエコノミスト上野泰也氏は、ユーロ圏からの資金流出の深刻化や急激な株安などが生じない限り、日米欧によるユーロ買い協調介入はないとの見方を示した。写真は台湾の銀行でユーロ紙幣を手にする女性。5月撮影(2010年 ロイター/Pichi Chuang)

 ユーロ安は欧州における財政緊縮のデフレインパクトを和らげる効果があると指摘するとともに、過去のユーロ/ドルレートの推移から見て、足元の水準はまだ高値圏だと述べた。

 主なやり取りは以下の通り。

 ――G20を控えた5月25日の会見というタイミングで亀井静香郵政・金融担当相が、為替を世界的に安定させる「知恵」を出すよう菅直人財務相に提案したことを明らかにした。今後、国際会議の場で日本が何らかの提言を出しうるのだろうか。

 「出ない。出ようがない。ユーロ圏の信用不安問題への対応としては、グローバルに見守りサポートしようという軸がある。ユーロ安は、欧州の財政緊縮のデフレインパクトを和らげるとしてある程度、大目に見ようという大まかなコンセンサスはあると思う。ユーロ安/円高の主導でドル安/円高になったとしても、国際協調の範囲内だ。日本の円はもう脇役に過ぎない」

 「日本は経常黒字国だ。内需を強くしてくれということで、昨年のピッツバーグサミットでサインしている。この中で、為替介入や円安を求めるのは、不均衡是正に反する」

 ――亀井発言を受け、プラザ合意後にあった為替安定化の議論を想起する市場関係者もいた。

 「プラザ合意の後、ルーブル合意があり、一定のターゲットゾーンやレファレンスレンジという言葉が教科書にも載るような時代があった。しかし、もう時代錯誤的なものだ。今は市場規模が巨大になった。為替介入をしても大海の一滴にすぎない。先進国の経済規模面でのウエートもだんだん落ちてきている。(その一方で)新興国がG7、G5型のシステムに変わらないといけないということをグローバルに共有する流れになっている」

 ――今週末にはG20財務相・中銀総裁会議を控えている。足元のユーロ安を受け、協調介入など、何らかの議論はあり得るか。

 「G20より、非公開のG7で(協調介入の)可能性を議論する可能性はゼロではない。ただ、こんな(足元の相場の)レベルでの介入はないと見ている」

 「ユーロは1999年1月4日に1.17ドル台で始まった。(その後の推移を)大ざっぱに見ると1.2ドル・プラスマイナス0.4ドル(のレンジになっている)。1.2ドルあたりが中間点になる。(足元の水準は)1.22ドル台ぐらいだから、まだ過大評価レベルだ」

 「百歩譲って(協調介入が)あるとすれば、株式相場がクラッシュし(下落を)止めなければいけないとか、あるいはユーロ圏から投資資金の流出が深刻になり国債が買われなくなるなど、パニック的な状況(を受けて実施されると想定される)。だが、そうでない限り何もない」

 「米国にも、今はうまい具合に資本が流入している。ドルに資金回帰が起きて米国債も10年債で金利が3%台の前半に沈んでいる。確かに輸出面ではドル高/ユーロ安は困るが、資本流入の面ではドル高で助かっている。米国も今の状態では文句を言わない。逆を言えば、これ(今の状況)が壊れたとき、米国に資本流入しなくなり、マーケットがクラッシュするようなケースになると、ドル買いの介入はあるかもしれない」 

 *このインタビューは2日に実施しました。

 (ロイターニュース 平田紀之;編集 田巻 一彦)

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