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米FRBの3幹部、利上げ時期近いとの見方示す

[アトランタ 3日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)の幹部3人は3日、失業率は高止まりしているものの、米経済の回復は勢いを増しているとして、利上げを開始すべき時期が近い可能性がある、との認識を示した。

 6月3日、FRBの幹部3人は、利上げを開始すべき時期が近い可能性があるとの認識を示した。写真はワシントンのFRB本部前、2008年10月撮影(2010年 ロイター/Larry Downing)

 カンザスシティー地区連銀のホーニグ総裁は、夏の終わりまでに政策金利を1%に引き上げるべきとの考えを表明。アトランタ地区連銀のロックハート総裁は、早期の利上げ実施を求めるには至らなかったものの、政策担当者は金融政策の引き締めに関して、早期に検討を開始すべきとの考えを示した。

 ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は、経済は利上げを求める状況にはないが、「われわれは用意を整え、かなり迅速に動けるよう備えておく必要がある」との考えを示した。

 今回のFRB当局者のコメントは、欧州の債務危機問題による不透明感が増している状況下にあっても、米経済の回復が進む中で、長期間低金利を維持することへの懸念が一部の政策担当者の中で広がっていることを示唆している。

 ホーニグ総裁は「現在の見通しに基づき、経済はフェデラルファンド(FF)金利の小幅引き上げを受け入れるのに適した状況になるとの見方は妥当と思われる」と指摘。

 ロックハート総裁は「経済が引き続き回復し金融市場の地合いが一段と強固になるにつれて、異例の低金利は、回復を支援するために必要でなくなり、物価安定維持と合致しなくなるだろう」と述べ、インフレへの警戒感を示した。

 一方、フィッシャー総裁はインフレが「問題でないのは明らか」として、デフレの可能性は低いものの、目先ではインフレより懸念材料だと指摘。その上で現時点では「利上げする時期ではまだない」が、「米景気の回復の足取りが確実なものになるなかで、その時期はまもなく来るのかもしれない」との見方を明らかにした。

 米経済は昨夏から回復基調にあるが、雇用市場の回復は遅れている。

 バーナンキFRB議長は同日、シカゴ地区連銀主催イベントでの講演で「特に困難な問題は失業率の高止まりだ」と指摘した。ただ、現在の米経済や・金融政策見通しについての詳しい言及はなかった。 

 <ホーニグ総裁、引き締めへの主張強める> 

 ホーニグ総裁はFRB当局者の中でもタカ派の代表格として知られている一方、ロックハート総裁は最もハト派的な1人とみなされており、最近まで経済の力強さではなく、ぜい弱な部分に注目していた。 

 ホーニグ総裁もまた、さらに金融引き締め政策を求める主張を強めている感がある。

 ホーニグ総裁は、政策金利をまず1%に引き上げ、そこで利上げはいったん停止して経済の反応を見極めるべきと主張。しっかりとした回復が続くならば、「適度な速さで」3%を上回る水準まで引き上げるべきだとの見解を示した。

 また、金融危機時に緊急支援策の一環として買い入れたモーゲージ担保証券についても、少なくとも政策金利を1%に引き上げる時期まで、もしくはより早い段階で一部を売却すべき、との考えを示した。 

 フィッシャー総裁も、「時宜に即していれば」利上げより先になっても、資産を一部売却することに反対しない、との考えを示した。

 一方、ロックハート総裁は、銀行システムから資金を吸収した後、利上げを行うべきで、資産売却はその後と主張した。

 ホーニグ総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有しているが、ロックハート総裁、フィッシャー総裁は投票権を有していない。

 FRB当局者内でタカ派的なトーンが高まる中、主要な懸念材料は、多額の債務を抱えた欧州諸国経済に対する信頼感の危機的状況だ。欧州の債務危機により世界の資産価格は打撃を受けており、米株価も1カ月余りで10%近く下落している。

 欧州の債務危機をめぐっては、ロックハート総裁とホーニグ総裁が米経済の見通しに対するリスク要因になり得るとの見方で一致。ロックハート総裁は、欧州問題により、FRBが引き締めをやや先送りする可能性があると述べた。

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