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日銀、経済環境はドバイショック時より良好との見方

 [東京 7日 ロイター] 市場の一部では最近の為替・株価など市場動向が、昨年11月後半のドバイショック時に似ているとの見方がある。しかし日銀では、足元の経済環境は当時よりも良好と認識しており、むしろ緩和効果は強まっているとみているようだ。

 7月7日、最近の市場動向がドバイショック時に似ているとの見方に対し、日銀では、足元の経済環境は当時よりも良好と認識しているようだ。写真は4月、日銀本店(2010年 ロイター/Issei Kato)

 ドバイショック時には、日銀が12月1日に臨時の金融政策決定会合を開催、0.1%の固定金利で期間3カ月の共通担保資金供給オペ(新型オペ)の導入を決定している。

 <ドバイショック時は、政府のデフレ宣言も企業マインド下押し>

 ドバイショック時は外国為替市場でドルが一時84円台まで下落、日経平均株価も9000円程度まで下落した。一方、足元ではドルが一時86円台に軟化、株価も9091円まで下落するなど不安定な動きとなっており、市場ではドバイショック時と相似しているとの見方がある。

 日銀はドバイショックを受けて市場が動揺するなか、昨年12月1日に臨時の金融政策決定会合を開き、新型オペの導入を決めた。声明の中で「このところの国際金融面での動きや、為替市場の不安定さなどが企業マインド等を通じて実体経済に悪影響を及ぼすリスクがある」ことを挙げ、為替動向が緩和の一因になったとの認識を示した。

 日銀が重視する円の実質実効為替レートは、昨年11月に100.03(2005年=100)と、同年3月以来の円高となった。日銀では、足元の実質実効為替レートもドバイショック時と同程度の水準で推移しているとみているようだ。

 また日銀内では、ドバイショック時は、昨年11月の政府によるデフレ宣言もマインドを下押しする要因となったとの見方が根強い。同12月の消費者態度指数(一般世帯・原数値)は前月比で1.9ポイント悪化したが、内閣府でも、デフレ宣言が影響したことを認めている。

 <ギリシャ問題後の企業マインド大幅改善を重視する声も>

 一方で経済環境を当時と比較した場合、日銀では大幅に改善していると認識している。企業マインドについて、昨年12月の日銀短観では、大企業製造業の業況判断DIがマイナス25と低水準となり、前期比改善幅も8ポイントにとどまった。一方、今年6月の短観は、同DIが前期比で15ポイントも改善したうえに、水準もプラス1と、リーマンショック前の08年6月(プラス5)以来のプラスへの浮上を果たした。日銀内では、ギリシャ問題という大きなショックが生じた後にも関わらず、企業マインドが大幅な改善を示したことを評価する向きが少なくない。

 内需についても、今年度の設備投資がプラスとなる可能性が高まるなど「自律的回復の芽は大きくなる方向」(幹部)との評価も聞かれる。ドバイショック時から変わっていない0.1%の政策金利についても、日銀内では、景気の改善もあり、緩和効果は当時よりも強まっているとみているようだ。

 このため、日銀では足元の市場動向だけをとらえて、ただちに金融緩和が必要とはみていないようだ。ただ、「今現在の瞬間風速的な景気がそれほどよいとは思わない」、「日米長期金利の低下が不可解」(幹部)など慎重な声も多い。このため、不確実性が急速に増す場合には対応を迫られる可能性もある。為替や株価など市場動向が企業や消費者マインドに与える影響は大きく、14─15日に予定される金融政策決定会合を控え、引き続き市場動向を注視していくことになりそうだ。

 (ロイターニュース 児玉成夫記者、取材協力:竹本能文記者:編集 石田仁志)

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