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焦点:民主敗北で消費税議論に不透明感、早期解散も視野か

 [東京 12日 ロイター] 参院選で民主党が大敗し、菅直人首相(民主党代表)が選挙戦で主張してきた消費税増税議論への影響は避けられない情勢となった。

 7月12日、参院選で民主党が大敗し、菅首相が選挙戦で主張してきた消費税増税議論への影響は避けられない情勢に。写真は11日、都内の投票所にて(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 首相は選挙後も超党派の協議を呼びかける考えに変わりがないと表明したが、民主敗北で首相の求心力は大幅に低下、消費税引き上げをめぐる党内の不協和音が一層高まりそうだ。

 一方、改選第1党に躍進した自民党はじめ野党は早期の衆院解散・総選挙に追い込む考えを強調しており、ねじれ解消を模索する中での早期解散も視野に入ってくる可能性がある。総選挙の時期もにらみ、菅首相が選挙前に主張してきた2010年度内の改革案とりまとめは不透明感が強まっている。 

 <消費税の超党派協議、民主党内の抵抗勢力表面化の可能性>

 菅首相は12日未明に記者会見し「今後も責任ある政権運営を続けていきたい」と続投する考えを表明。引き続き「経済成長・財政再建」の両立に取り組む考えを強調し、消費税を含む税制抜本改革に関する超党派協議を「あらためて呼び掛けたい」と意欲を示した。しかし、菅首相の責任論が浮上するなかで、消費税を含む税制抜本改革の超党派議論の行方が増税に反対する民主党内の「小沢」派をあぶり出す可能性も予想される。

 超党派協議について菅首相は、谷垣自民党総裁も条件付きながら前向きの姿勢だとエールを送るが、野党はそろって民主党の方針の提示を求めており、消費税増税に一枚岩でない民主党内の勢力図が表面化する可能性が出ている。

 谷垣自民党総裁は、(1)民主党がきちんとした成案をつくり、(2)民主党がばらまきのマニフェストを整理するなら、「いつでも協議には応じる」と指摘。山口那津男公明党代表も「われわれのほうが社会保障についてその中身を議論すべし、その上で財源のあり方について議論すべしと提言してきた。まずは、われわれの提案を受けるかどうかが民主党側に問われている。まず、答をいただきたい」と民主党をけん制している。

 消費税増税についてまとまっていない民主党に成案を求めることで、民主党内の勢力図をあぶり出し、一部の切り崩しを狙うかのような戦略にもみえる。

 <ねじれ解消模索で、早期の衆院解散も>

 また、参院選での民主の大敗で、野党からは早期の衆院解散総選挙を求める声が強まった。菅直人首相が、鳩山由紀夫前首相から政権を引き継いだ時も「参院で信を問う」としていたためだ。ねじれ国会で政策が停滞する事態への対応について谷垣総裁は「一刻も早く政府・与党は国民の審判を問うべきだ」と述べ、早期の衆院解散に追い込んでいく考えを強調。

 みんなの党の渡辺喜美代表も「ねじれを終わらせるにはできるだけ早く衆院解散をやるべきだ」とし、「これ(来年の統一地方選挙)と一緒にやったらよい」と述べた。

 民主党は2009年の衆院選で300議席を超える圧倒的な議席を獲得したが、参院で否決された法案が衆院でいずれ採決できる3分の2議席を確保していない。党内には自民党の麻生政権が解散時期を読み誤った轍を踏むまいとの見方もあるもようで、追い込まれて解散に動く前にうって出る可能性も出てくる。判断を左右するのは、小沢前幹事長の復権が強まるかどうかにあるとの声が聞かれる。

 (ロイターニュース 吉川裕子記者 伊藤純夫記者;編集 石田仁志)

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