[ヒューストン 1日 ロイター] 米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は1日、景気回復が力強くなるまで米連邦準備理事会(FRB)は金利を低水準にとどめることを確約するとの立場を示した。
ただ、企業を支援する財政・規制政策がない場合、FRBは追加的な成長支援策を導入すべきではないとの考えを示した。
同総裁はグレーター・ヒューストン・パートナーシップ主催の会合での講演原稿で、FRBがバランスシートの規模を約2兆ドルに維持する方針を決定したことは、回復を阻害する恐れのある「消極的な引き締め」を解消させるための措置だったと説明した。
ただFRBのバランスシートをこれ以上拡大させることについては、最善の場合でも効果がなく、最悪の場合は将来のインフレの種を蒔くことになるとして、消極的な姿勢を示した。
その上で「金融緩和策のみでは人々を幸せにできない」との考えを示した。
また、医療制度改革や財政・税制指針などに起因する各種規制から発生するコストが不透明となっていることから、米企業は投資を差し控えているとの見解を示した。
その上で、ボールは現在、政府側のコートにあるとの見方を示し「FRBが導入するいかなる追加策も、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が先日のジャクソンホールでの会合で言及したような厳しい費用対効果分析の対象とされるべきだ。考慮されるべき要素の1つは、財政・規制政策が成長を後押しするかどうかということだ」とした。
同総裁は「金融政策の影響を高める最善の方法は、経済を持続的でかつ物価上昇を伴わない成長軌道に再び乗せるための支援策が及ぼす可能性のある影響を、打ち消すのではなくむしろ補完する財政・規制政策が導入されることだ」とし、FRBは経済の信頼感を高めるために可能なことはすべて行うものの「FRBが単独では実行できないとの認識を持つことが重要だ」との考えを示した。
フィッシャー総裁は来年、米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持つメンバーに就任する。