[デトロイト 1日 ロイター] 主要自動車メーカーが1日発表した8月の米国内自動車販売台数は前年同月比21.2%減の98万8559台となった。
前年同月の販売が、政府の買い替え支援制度で急増していたことが響いた。
年率換算の販売台数は1147万台。トヨタ7203.T、ホンダ7267.Tなど大手各社が軒並み2けたの落ち込みを記録した。
8月の販売台数としては27年ぶりの低水準。景気の先行き不透明感を印象付ける結果となった。
トゥルーカー・ドット・コムのアナリスト、ジェシー・トプラク氏は「せっかく稼いだお金を使いたくないという消費者が依然として多い」と指摘した。
年率換算の自動車販売は大半のアナリスト予想を下回っている。今年の自動車販売については1150万─1200万台と予想する声が多い。
年率換算の販売台数は、第2・四半期の1130万台を上回ったものの、政府の買い替え支援制度で販売が急増した昨年8月の年率1400万台を大きく下回った。
各社の8月販売台数は、ゼネラル・モーターズ(GM) [GM.UL]が25%減、フォードF.Nが11%減、日産7201.Tが27%減、トヨタが34%減、ホンダが33%減だった。
クライスラーは7%増。同社は、レンタカーなど相対的に利益率の低い業務用車両の販売が多い。
<鈍い景気回復ペース>
GMの販売担当責任者、ドン・ジョンソン氏は、雇用低迷を背景に米国の消費者は「慎重な」姿勢を崩さないだろうと予想。ただ、業界全体の販売台数は、昨年の1040万台から緩やかに回復するとの見通しを示した。
同氏は「予想外の事態が発生しなければ、二番底のリスクは低い」と述べた。
ネーションワイドのチーフエコノミスト、ポール・バルー氏は「景気の回復ペースが極めて鈍いことが確認された」と指摘。
「自動車販売の動きは、小売売上高や国内に広がる消費手控えムードと一致している」と述べた。
<大型車は好調>
8月は、フルサイズピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)など、景気後退局面で販売が落ち込んだ利益率の高い大型車の回復が目立った。
トヨタの米国販売担当責任者、ボブ・カーター氏は「ピックアップトラックとSUVは、業界の予想以上のペースで回復している」と指摘した。