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インタビュー:単独での為替介入も放棄せず=民主・海江田氏

 [東京 6日 ロイター] 民主党の海江田万里衆議院議員は6日、ロイターのインタビューに応じ、円高・デフレに対する日銀の対応について不十分との認識を示した。

  9月6日、民主党の海江田氏は、円高・デフレに対する日銀の対応について不十分との認識を示した。写真は都内で昨年11月撮影(2010年 ロイター/Toru Hanai)

 日銀の政策対応だけでデフレが解決するとは思っていないとしながらも、追加緩和の必要性は「あるだろう」と指摘し、国債の買い切り増が検討課題になると述べた。海江田氏は、民主党代表選に立候補した小沢一郎前幹事長の政策立案の中心的人物のひとり。

 小沢氏が円高対策として政権構想のなかで示した為替介入について「単独介入を放棄するものではない」とし、小沢氏が菅直人首相より市場介入に積極的であることを強調。税制抜本改革では、小沢氏は次の衆院選まで消費税を上げないとした鳩山由紀夫前首相の主張を踏襲しているとし、「残り3年、消費税は上げない」方針であるとし、投資減税の必要性や法人税の引き下げの方向にも言及したが、時期についての明言は避けた。

 インタビューの概要は以下の通り。

 ──円高対策。今すぐ市場介入すべきか。

 「市場介入については(小沢氏は)菅さんより積極的。いま協調介入する状況にないことも良く分かっている。全くやらないということではなく、市場介入もあるということ。介入で円高の流れが止まるとは思っていない。だから小沢さんは同時に、鉱山を買うとか採掘権を買うとか、そういうこと(海外資源への投資)も必要だと言っている」

 ──単独介入もあり得る。

 「その可能性もある。効果が限定的であることはわかっているが、単独介入を放棄するものではない」

 ──円高・デフレに日銀は十分に対応しているか。

 「不十分だ。ただ、日銀の対応だけでこの問題が解決するとは思っていないことは確かだ」

 ──追加緩和は必要か。

 「それはある。ただ、(日銀に)できることは限定されているので、基本的には需要創出、どういう形で需要創出するかだ」

 ──追加緩和の手法は。

 「国債の買い取り。いま、日銀券の発行量を上回らないとする日銀券ルールがある。小沢さん自身、あるいは小沢さんを支えるグループ全体で日銀券ルールを撤廃するというところまでいってはいないが、(日銀券ルールの見直しについて)議論としてはある」

 ──みんなの党は日銀法の改正まで主張している。

 「小沢さんを応援してくれているなかにもインフレターゲティングとからめて、日銀法の改正を主張する人はいるが、全体として、検討には入っていない。変えるとしたら、(日銀の目的として)雇用に責任を持つということをどうするかがポイントしてあるが、全体で日銀法の改正が今すぐ必要だというふうには至っていない」

 ──銀行券ルールの見直しでは、日銀による財政ファイナンスとの批判も出る。

 「小沢さんの政策はばら撒きで財政規律が緩いと言われるが、財政規律を保つことは必要と思っている。政府保有資産の証券化は国債をこれ以上乱発しない手法で、コストがかかるとの批判はあるが、財政規律から出てきた考え方だ。小沢さんが財政規律に無関心というのは当たらない」

 ──国有財産の証券化について。

 「(国有財産約600兆円のうち)担保対象資産は200兆円ぐらいだろう。その証券化で3、4兆円出る。このことで、眠っている資産の有効活用を考えるプレッシャーになる。何もやらないで税収が不足すると国債発行で(賄うで)はあまりにも安易だ」

 ──財源論では、小沢氏は無利子国債も提案している。

 「確かに奇策だが、今の状況を抜け出すために考えなければならない。確かに金持ち優遇になるが、無利子国債を全て非課税にすることではない。相続税5割程度でもいい。全体で相続税を強化するなかから、そういうこと(相続税軽減)をやれば必ずしも金持ち優遇にはならない。これらの基本的な狙いは、国の資産や土地を含めて本当に有効活用されているのかその問題提起だ」

 ──税制改革について、小沢氏は所得税・住民税減税と法人税下げを主張している。減税財源は。

 「所得税・住民税減税についてはまだ決まっていない。具体的にどうやるかはこれからの議論だ。(税制に対する)小沢さんの基本的な考え方は、増税してもそれが必ずしも税収増につながらないし、減税してもトータルな意味での税収減につながらないという考え方。小沢さんには投資減税の話をした。個人で言えばローン減税。これも広義の所得減税にはなる」

 ──法人税は引き下げの方向か。

 「(その)方向だが、いつからなどは決まっていない」

 ──消費税は、鳩山前首相が次の衆院選まで4年間上げないとした考えを踏襲しているのか。

  「踏襲している。(従って)残り3年間は上げない」

 ──全ての税目を一体で議論するのか。結論はいつまでに出すのか。

 「(議論は)全体だ。(結論を出す時期は)政権を担当することになれば、政府税調、党税調の話をしっかり聞いて、いずれにしても(税制は)来年度予算の大きな話になる。そこに入れられるもののは入れていく」

 ──現行の財政健全化目標は維持するのか。

 「もちろん、健全化目標をつくること自体は大事だが、前回出したものがそのままで良いのかどうかは要検討だ。財政健全化に、小沢さんは決して後ろ向きではない。ただ、財務省にマインドコントロールされた健全化はやはりおかしい。(代表選後、勝利したら)今の健全化目標をもう一度検討する。これは(現行の健全化目標を)白紙にするということではない。点検、検証だ」

 ──選挙情勢は。

 「6対4で不利、厳しい。背景は1)現職の首相が相手であること、2)首相が頻繁に変わってよいのかとの国民の思い、3)小沢さんのこれまでの政治とカネの問題などがあるが、政策と実行力を評価してもらいたい」

 (ロイターニュース 吉川裕子記者 藤岡知紗記者)

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