[パリ 9日 ロイター] 経済協力開発機構(OECD)は9日、先進国の成長が鈍化した結果、世界経済の回復はこれまでの予想以上に減速しているようだ、との認識を示した。そのうえで、減速がマネー面だけにとどまらない場合には、金融面の刺激策を延長あるいは強化すべきだ、と指摘した。
OECDは、主要7カ国(G7)の成長率は第1・四半期の年率3.2%、第2・四半期の2.5%から、第3・四半期は1.4%、第4・四半期には1.0%に減速すると予測。
米国については、第3・四半期が2.0%、第4・四半期は1.2%に鈍化するとの見通しを示した。
また、フランス、ドイツ、イタリアを合わせた成長率は、第2・四半期の年率5.1%から第3・四半期は0.4%、第4・四半期は0.6%に落ち込むと予想。
日本に関しては、第2・四半期の年率0.4%に対し、第3・四半期は0.6%、第4・四半期は0.7%に若干ながら加速すると予測した。
OECDのチーフエコノミストPier Carlo Padoan氏は「最近のデータは、世界経済の回復ペースが鈍化していることを示しており、鈍化の度合いはこれまでの予想よりも大きくなっている」と指摘。さらに「回復ペースの失速が一時的なものかどうかはまだはっきりしない。公的な支援策が打ち切られた場合に、民間消費がさらに悪化することを示唆しているのかどうかも不明確だ」と述べた。
金融政策については「景気減速が一時的なものであれば、適切な政策対応は、金融刺激策の解除時期を2―3カ月先延ばしし、財政再建策は計画通りに進めることだ」と指摘。さらに「景気減速が長期的なものであれば、量的緩和やゼロ金利政策を長期間続ける約束などの形で追加的な刺激策を講じる必要が生じる可能性がある」との認識を示した。