[カルガリー(加アルバータ州) 10日 ロイター] 米経済再生諮問会議のボルカー議長(元連邦準備理事会議長)は10日、米経済が完全に回復するまでには数年かかるとの見通しを示した。
同議長はカルガリーのスプルースメドウズでの会合に出席し、景気回復は過去のいかなる回復パターンにも合致するに至っていないとの見解を示し「米国は、欧州各国や日本でみられる状況に到達しないと言えるだろう。(米)経済が毎年3%の成長を遂げるとの楽観的な見方をもってしても、米国の生産は数年間は過去のピークに達することはない」と述べた。
その上で、米経済が再び過去のピークに達するまで今後約3年かかると予想。これは通常の景気サイクルにおける通常の回復とは異なるとの見方を示した。また、世界的な金融システムの回復には3─6年かかると予想した。
ボルカー氏はまた、欧州単一通貨ユーロの安定に対するリスクにも懸念を示し「欧州では米国で見られたような症状が出ており、こうした症状はユーロの安定そのものをある程度脅かすリスクをはらんでいる」と警告。「欧州の状況を安定化させるには非常な努力が必要になる」と語った。