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6年半ぶり為替介入、ドル85円上昇でも効果不透明

 [東京 15日 ロイター] 政府・日銀は15日午前、急速に進行する円高を阻止するため、為替市場介入に踏み切った。野田佳彦財務相が緊急会見で明らかにした。日銀も白川方明総裁による談話を発表、市場に潤沢に資金供給を行っていく方針を表明し、政府・日銀が連携して円高に対応する姿勢を示した。

 9月15日、政府・日銀は15日午前、急速に進行する円高を阻止するため、為替市場介入に踏み切った。写真はドル/円の為替レートを表示する電光掲示板(2010年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 日本の為替介入は2004年3月以来、6年半ぶり。15日の市場で政府・日銀は断続的に介入を実施し、ドル/円は85円台に急上昇しているが、ドル安トレンドの中で円相場が下落に転じるかは不透明だ。

 <野田財務相「今後も必要なら介入含む断固たる措置」>

 野田財務相は15日午前、為替市場で15年ぶりの円高が進行するなか、財務省内で緊急会見を開き、「為替相場の過度な変動を抑制するため、さきほど為替介入を実施した」と明らかにした。野田財務相によると、菅直人首相に報告した上で、自身の判断で介入を実施。午前10時半に財務省から日銀に要請し、同35分ごろに市場介入に踏み切った。日本単独の介入であることも認め、国際連携については「必要な関係当局と緊密な連携はとっているが、それぞれがどのような反応をしているかについてはコメントを控える」と述べるにとどめた。規模や対象通貨は明らかにしなかったが、財務省では月末にも公表する予定だ。

 野田財務相は、今後についても「為替市場の動向を注視しながら、必要な時には介入を含めて断固たる措置をとっていきたい」と為替介入を継続する方針を表明。財務省幹部も「介入は1回やって終わりというものではない。相場が変われば、それに対応することの連続だ」と断続的な介入を示唆している。

 <日銀総裁が談話「今後も潤沢に資金供給」、金融調節にも注目>

 野田財務相会見の直後に日銀は白川総裁談話を発表。為替介入について「為替市場における財務省の行動が、為替相場の安定的な形成に寄与することを強く期待している」とし、「強力な金融緩和を推進するなかで今後とも金融市場に潤沢な資金供給を行っていく方針」であることを表明した。目先は、円売り介入の資金を市場から吸収せずに放置する非不胎化措置を行うかが注目される。日々の国庫の資金の出入りはさまざまであることに加え、介入資金もいずれ政府が国庫短期証券を発行して吸収することになるが、政府・日銀の協調を確認する上でも、介入資金の決済が行われる介入2日後の金融調節に関心が集まりやすい。

 また、仙谷由人官房長官は午前の会見で、介入を受けた日銀の対応について「円高による先行きについての重苦しい雰囲気を解消方向に持っていっていただくことを期待している」と介入資金の扱いにとどまらないさらなる日銀の対応に期待感を示した。

 <米財務省報道官、日本の為替介入にコメントせず>

 欧米経済の先行き不透明感の強まりを背景とした円高進行に対し、政府・日銀は効果が乏しいと指摘されていた単独介入に踏み切ったが、仙谷官房長官は国際協調について「少なくとも欧米には理解を求める行動をとっている」と語った。日本の為替介入に対して米財務省報道官は現地時間14日、コメントを差し控えた。

 <ドル/円は目先86円の見方、単独効果に懐疑的>

 外国為替市場では、日本当局の断続的な円売り介入を受けて一時ドル/円が85円台に急上昇。市場では目先のドル/円について「60日移動平均である86円に向けて上値を試す可能性がある」(NHインベストメント&フューチャーズ(ソウル)のリサーチセンター長、LEE JIN-WOO氏)との声も聞かれるが、単独介入の効果に懐疑的な見方が根強いようだ。みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「為替市場の取引規模からみて、単独での円売り介入の効果には限界があり、持続性は伴いにくいというのが一般的な見方だ」と指摘している。 

 (ロイターニュース 伊藤 純夫記者)

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