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通貨戦争回避に必要な協調政策、G20は困難な課題に直面

 [ロンドン 6日 ロイター] 先進国と新興国の財務相・中央銀行総裁が集まる20カ国・地域(G20)会合が、今月22日に韓国で開かれる。ブラジルの資本規制など、各国が対策を講じるなか、緩やかな米ドル下落だけが唯一の通貨戦争回避の方法とみられ、G20では為替での一定の合意という、困難な課題に直面することになる。

 10月6日、緩やかな米ドル下落だけが唯一の通貨戦争回避の方法とみられ、G20では為替での一定の合意という、困難な課題に直面することに。写真は都内で9月撮影(2010年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 世界的に輸出需要が低迷し、主要国は国内の景気押し上げへ通貨安を余儀なくされており、これに対する資本規制や通商摩擦を引き起こしている。

 新興諸国が時間をかけて自国通貨を上昇させ世界的な均衡を図るという点では大筋で合意があるが、この間の移行期の具体策は見当たらない。このため柔軟な為替制度を持つ新興国などの通貨が急上昇、ブラジルや韓国が資本規制に乗り出した。 

 銀行業界の国際的団体である国際金融協会(IIF)のダラーラ専務理事は4日、「各国の一方的な措置が続いているが、これによる打撃を回避するには、主要国のコアグループが、多国間の協調的な政策措置で早急に合意する必要がある」と述べた。

 ジョージ・ソロス氏が資金を提供している研究機関、ニュー・エコノミック・シンキングのディレクター、ロバート・ジョンソン氏は、1)米国をはじめとする主要消費国、2)中国・日本・ドイツなど主要輸出国、3)新興輸出国――の3グループ間での通貨移動の大きさやペースについて、G20で合意する必要があると指摘する。

 同氏は「競争力に向けた通貨切り下げが進んでいる。先進国通貨に対する新興諸国の為替レート再調整、おそらく今後1―2年で20―25%の上昇が求められている」と述べた。新興国は輸出競争力を失うが、一方で中間層向けの輸入品が安くなる点で一部補えると指摘した。 

 問題は、市場が一方向への動きとならないよう、また各国政府が過剰反応しないよう、どのように対応するかだ。市場が自律的に緩やかな反応を示すことは見込めない。

 JPモルガン・アセット・マネジメントのストラテジスト、デービッド・シェープ氏は、主要国が量的緩和を続けるなか、新興国通貨への流入は加速するとみている。

 ファンド調査会社のEPFRによると、今年の新興国の自国通貨建て債券への資金流入は400億ドルで、09年1―9月の7億ドルを大幅に上回っている。第3・四半期の新興国株式市場は300億ドルの流入超で、1―6月を50%上回り、年初来では500億ドルの流入超となった。

 4日に資本規制策を発表したブラジルのマンテガ財務相は、「通商戦争となりリスクがあり懸念している。孤立した措置を講じるよりも、協調して対策をとるほうが好ましい」と指摘した。 

 (Mike Dolan 記者;翻訳 村山圭一郎;編集 田中志保) 

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