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訂正:米雇用統計でドル下げ渋りの兆し、大勢は下落見通し維持

 基太村 真司記者 

 10月12日、外為市場では、ドルが円やユーロなどの幅広い通貨に対して歴史的な安値圏から小幅に切り返した。写真はカイロの外貨両替所前で、2008年1月撮影(2010年 ロイター/Asmaa Waguih)

 [東京 12日 ロイター] 12日にかけての外為市場では、ドルが円やユーロなどの幅広い通貨に対して歴史的な安値圏から小幅に切り返した。米雇用統計を受けて、ドルに下げ渋りの兆しが出てきたとの見方が浮上したことがきっかけだ。

 しかし、ドルの買い戻しは調整の域を出ないとして、多少の反発があっても下落基調が当面続くとの見方が依然として大勢。過去最安値まで一時1円60銭に迫った対円では、介入観測がくすぶり続けている。 

  <米追加緩和、出足は予想より小規模との観測> 

 ドルは前週、対スイスフランで過去最安値、対豪ドルで28年ぶり、対円で15年ぶり、対NZドルで1年ぶり、対ユーロで8カ月ぶり安値を更新。しかし、日米が休日となった11日からきょうにかけて、長らく下落基調をたどっていたドルは広範にじわりと切り返し、対ユーロで1.38ドル前半へ安値から200ポイント超、対豪ドルで0.97ドル後半へ150ポイント弱、対円でも82円台へ1円の急速な反発となった。上昇局面では、国内外のファンド勢や短期筋の買いが目立ったという。 

 買い戻しの手掛かりとされているのが、8日発表の9月(訂正)米雇用統計。非農業部門雇用者数が事前予想を下回るなど「全般は明らかに弱い内容」(アナリスト)だったものの、失業率が予想を小幅に下回ったことなどで「米連邦準備理事会(FRB)が11月に追加緩和策を採用しても、導入時の債券買い入れ額は予想ほど大規模にせず、様子を見ながら進めるのでは」(外銀)との観測が出回ったことだった。米景気の急減速と速やかな大規模緩和の導入という市場が描いてきたシナリオが、やや前のめりすぎる可能性が出てきたとの見方だ。

 米2年債や5年債利回りが過去最低を相次ぎ更新するなど「米金利は追加緩和をかなり織り込んだ水準へ低下した。米金利の低下からくるドル安圧力は限界的になりつつある」(シティバンク銀行・外国為替部チーフFXストラテジストの高島修氏)こともあり、下落の一途だったドルが今後、下げ渋る展開を想定する声も出始めている。 

  <ドル下落見通しは変わらず、介入にも警戒感> 

 しかし、今回のドル上昇に対する多くの参加者の見方は「売られた分の自律的な買い戻し」(邦銀)にとどまる。投機ポジションの参照データとして知られる米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の取組によると、10月5日までの週のドルの売り越し額は2008年半ば以来の高水準を記録。ドル売りポジションが高水準に膨らんでいたことが調整的な買い戻しを誘発したに過ぎず、「米経済の状況に目を向ければ、ドル/円を買うイメージは持てない」(別の外銀)との声も根強い。 

 ロイターが米雇用統計後に実施した聞き取り調査でも、米プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)16社中15社が11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に追加の量的緩和が発表される可能性があると回答。前回9月調査の10社から増加した。 

 東京市場では、円売り介入への警戒ムードも根強いままだ。この日のドル/円は81円後半から82円前半の狭いレンジ取引となったものの、一部では「野田財務相の言う通りG7各国の理解を得たなら、きょうにも介入が入る可能性がある」(さらに別の外銀)との声すら上がった。市場では、ドル/円が再び15年ぶり安値を更新し、円の最高値が視野に入ったタイミングで再び実施されるのではないかとの声が増えている。 

 (ロイターニュース 基太村 真司記者、編集:石田仁志)

*本文4段落目の「8月」を「9月」に訂正します。

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