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ドル15年ぶり81.14円、過熱感のないドル全面安進む

 [東京 14日 ロイター] 東京外為市場午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点に比べドル安の81円前半。一時81.14円まで下落して1995年以来15年ぶり安値を更新した。資本や貿易関連取引などの実需勢が様子見となるなか、ドルは、短期筋の売りに押され、過熱感のないまま、徐々に下値を切り下げた。  

 10月14日、東京外為市場午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点に比べドル安の81円前半。写真は都内の外為ディーラー。昨年11月撮影(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 ドルの下落は幅広い通貨に対するもので、対スイスフランで最安値を更新したほか、対豪ドルで28年ぶり、対NZドルで1年3カ月ぶり、対ユーロで8カ月ぶり、対カナダドルで半年ぶり安値を更新する全面安となった。主要通貨に対するドルの値動きを示すドル指数も10カ月ぶり低水準をつけた。 

 「スピード感も過熱感もないまま、ドル安が進んでいる。11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)や中間選挙を控えて、短期筋は既に一部のドルショートを巻き戻しているので、ドル安の加速を阻んでいる」(証券会社)との意見が聞かれた。

 さらに、「急激にドル安が進めば、日銀が介入する口実を与えてしまうので、短期筋も一気に仕掛ける雰囲気ではない」(同)という。 

 アジア時間は序盤から、海外市場の流れを引き継ぐ形でドルがじりじりと軟調。朝方にシンガポール金融管理局(MAS)が、シンガポールドルの取引バンドを若干大きくするとして、小幅な金融引き締めを実施したことがきっかけとなって、対アジア通貨でもドル売りが加速した。

 午後に入ってドルは小幅に反発したものの、午前の取引で一時2%上昇した上海総合株価指数が上げ幅を縮小したことをきっかけに、クロス円に売り圧力がかかり、ドル/円も連れ安となり、一時81.14円と15年ぶりの安値まで下値を伸ばした。

 豪ドル/円は一時81.32円付近まで上値を伸ばしたが、中国株の上げ幅縮小に伴い80円後半まで反落した。 

 <短期筋、個人のFX取引> 

 市場では、売り持ちポジションが大きく積み上がっていることから、ドルの調整機運も一部に出始めているが、米連邦準備理事会(FRB)の追加緩和期待などを背景に「ドル安トレンドが明確となっており、歯止めがかかりづらい」(邦銀)との声が出ている。

 一方、個人のFX取引は、ドル/円については買い下がりのスタンスで取引も増える傾向にあるという。「ユーロ/円や豪ドル/円などクロス円で利益確定売りを出し、ドル/円を買う動きになっている。ドル/円の損切りの売りも多少は出ているが、レバレッジが高かったときよりは目立たない」(セントラル短資FX執行役員、武田明久氏)との声が上がっている。  

 <アジア通貨高> 

 この日のドル安の直接的なきっかけとなったのは、MASが、シンガポールドルの取引バンドを小幅拡大すると発表したこと。中央値は変更しないとしているが、市場では、米ドル安圧力の高まりを受けた事実上のシンガポールドル高誘導だとの見方や、シンガポールドルの相場を実勢に合わせる動きとの見方もある。

 「このところアジア通貨高が続いているが、アジア通貨当局はドル買い/自国通貨買いを実施することで得たドルを、ユーロ、豪ドル、英ポンド等に換えている。この動きがこれらの通貨に対するドル安進行を加速させるというパターンに陥っている」(ファンドマネージャー)という。

 アジア通貨高と自国通貨売り介入は他でも波紋を呼んでいる。

 韓国放送公社(KBS)は14日、韓国政府のウォン高阻止を目的とした介入に関し、20カ国・地域(G20)首脳会議議長国である同国の指導力に疑問を投げ掛けた野田財務相の発言について、日本に抗議したと伝えた。

 野田財務相は14日朝、報道について「承知していない」と述べるにとどめたが、市場では「日本が介入しづらくなるのではないか」(外銀)との声が上がっている。

 韓国の介入をめぐっては、菅首相も13日「G20で為替の過度の変動は好ましくないとの合意を得ている。自分の国だけ低いところに(為替水準を)人為的に誘導するのはG20全体の協調からは外れている」として「韓国、中国にも共通ルールの中で責任ある行動をとってほしい」と発言している。  

 中国人民銀行(中央銀行)は14日の人民元の基準値を2005年7月の切り上げ後の最高値となる1ドル=6.6582元と発表した。

 中国人民銀行(中央銀行)は13日、9月末時点の中国の外貨準備高が2兆6480億ドルとなり、7月から9月の間に1940億ドル増加したと発表した。1四半期の伸びとしては過去最大。市場では、欧米各国などから人民元の切り上げ圧力が強まる可能性がある話題として関心を集めている。

 一方、米財務省は15日に予定通り為替報告書を公表する見通し。民間セクターの業界幹部が13日、匿名を条件に明らかにした。

 (ロイター 森佳子記者)

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