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実質GDPが4四半期連続で増加:識者はこうみる

 [東京 15日 ロイター] 内閣府が15日発表した2010年7―9月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.9%、年率換算プラス3.9%となり、4―6月期の前期比プラス0.4%(年率プラス1.8%)から加速した。前期比での増加は4四半期連続。市場関係者のコメントは以下の通り。

 11月15日、7―9月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.9%、年率換算プラス3.9%と加速した。都内の家電店で9日撮影(2010年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

●予想比上振れも、材料視せず

 <バークレイズキャピタル証券 チーフストラテジスト 森田長太郎氏>

 内閣府が発表した7―9月期実質GDPが市場予想をやや上回ったのは、消費面での押し上げ効果が大きい。ただ、債券市場は別の要因で動きそう。過去の指標と受け止め、手掛かり材料視しないだろう。

 前週末の米債市場で大幅な金利上昇が生じており、円債市場も10年物国債利回りは1%超での推移が定着する可能性がある。米市場では、QE2開始による需給引き締まりを事前に織り込んでいた部分への反動と、連邦公開市場委員会(FOMC)直後に出ていたQE2のさらなる拡大の思惑が、後退しつつある。

 米債に対するエクスポージャーを拡大させている邦銀のロスカットの動きが、今後活発化してくるようであれば、円債市場における売り圧力の増大にもつながりかねない。今月に入った時点で、円債市場における想定金利レンジは10年0.8―1.0%がコンセンサスだったが、10ベーシスポイント程度は引き上げてみるべきではないか。 

●堅調は織り込み済みだが、株価の下を売るイメージはなくなった

 <みずほインベスターズ証券 エクイティ情報部長 稲泉雄朗氏>

 追加経済対策の効果や自動車のエコカー補助金終了前の駆け込み需要、猛暑効果などで消費が堅調だった。7─9月期GDPが堅調だろうというのはすでに株価に織り込まれているが、下を売るイメージはこれでなくなったといえよう。10─12月期も消費は堅調ではないかとみている。

●為替の反応限定的、10─12月期の低迷を予想

 <クレディ・スイス証券チーフ通貨ストラテジスト 深谷幸司氏> 

 7─9月期実質GDPは年率3.9%増と堅調だったが、為替の反応は限定的。10─12月期にはエコカー補助金による押し上げ効果がはく落し、景気が押し下げられることが予想されているためだ。過去の数字をみるより、先行きの動向が意識される。

 ドル/円は当面、米金利の上昇を受けてしっかりの展開が続くとみている。欧州ソブリン問題では、アイルランドの支援要請も視野に入ってきたが、すぐに解決するとは考えにくく、ユーロ/ドルを中心にドルが堅調な展開が続くだろう。

●駆け込みで7─9月は高成長、10─12月は反動でマイナス成長も

 <ニッセイ基礎研究所・主任研究員 斎藤太郎氏> 

 予想よりも良い数字となった。自動車やたばこの駆け込み需要によって、消費がかなり高い伸びとなったが、実勢の消費はここまでは強くない。外需の寄与がゼロとなり、景気のけん引役の輸出の伸び鈍化が確認された。

 7─9月期は駆け込みの影響で高成長となったが、10─12月期GDPはマイナス成長になるとみている。駆け込み需要の反動で消費がマイナスとなるほか、外需も少しマイナス寄与となる可能性が高く、輸出による下支えが期待できない中で、消費が落ち込むとみられる。

 もっとも、7─9月期と10─12月期の成長を均してみると横ばいに近い形になるとみており、政策効果など特殊要因により両極端な数字が出やすいが、景気の実勢としては足踏み局面であるといえる。

●10─12月期の反動減を警戒、クレジットは反応薄

 <三井住友海上きらめき生命保険・経理財務部部長 堀川真一氏>

 7─9月期の実質国内総生産(GDP)は年率でプラス3.9%と市場予想を上回った。エコカー補助金終了やたばこ増税の駆け込み需要や猛暑の影響などの影響によるもので、内需主導による強い内容は想定済み。むしろ、今後の反動減を警戒して、7─9月期は過去の数値として捉えられる可能性がある。10─12月期は、反動減に加えて、円高の進行や政策効果の低減などで景気下押し圧力がかかりやすい。どこまで落ち込むかが焦点だ。

 朝方の東京市場は株高/債券安。クレジット市場では日銀が包括的な金融緩和の一環として打ち出した社債買い入れに関心が移っていることから、GDPの反応は限定的だろう。

●10─12月期は一時的マイナスへ、来年は成長トレンドに戻す見通し

 <UBS証券 シニア・エコノミスト 会田卓司氏>

 7─9月期GDPは、消費の伸びで全体の成長のほとんどを説明できる。エコカー補助金の終了、たばこの駆け込みの影響が大きかったほか、猛暑効果も幾分あった。今回は消費というテクニカル要因でアップサイドに振れたが、外需の寄与度がゼロとなり、減速トレンドが続いていることも示した。

 今後、反動が出て10─12月期GDPはマイナス成長を予測しているが、一時的な弱さにとどまるとみている。

 2011年1─3月期は年率プラス1.5%程度まで戻し、2011年末に向けて設備投資を中心に2%程度の成長トレンドに戻るとみている。

●株買いの手掛かりに、年明け以降は世界的に緩やかな改善

 <東京海上アセットマネジメント投信 シニアファンドマネージャー 久保健一氏>

 きょう発表された7―9月期実質GDPは全般的に底堅い印象を受ける。週明け東京市場の取引でも、GDPを好感しプラス圏で推移している。米雇用情勢も改善していることを考慮すると、全般的にこれまでの停滞が改善方向に向かう数字と言える。日本の場合は政策効果のはく落で10―12月期がボトムとみられるものの、米国をはじめ世界的に来年1―3月期を底に緩やかなペースで回復に向かうとみている。そろそろ踊り場の底を打ち、上方向に目線を向けてもいいのではないか。

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