[東京 15日 ロイター] ゴールドマン・サックス(GS)は15日付のリポートで、足元の日本株の上昇は、TOPIXが20%以上反発して日本株が世界株をアウトパフォームした09年12月から10年4月までの状況に似ていると指摘。
今後、上昇が持続するかどうかについては、短期的には持続する可能性があるとみている。当時との類似点として、米国経済の見通し改善と中国が当分引き締め政策を維持すると予想されることを挙げている。
その一方でGSは、日本には国内経済の減速や企業収益のリスクといった逆風が存在するとして、これらが市場の絶対的な上値余地を抑える公算が大きいとも指摘している。
GSは、今年7月以来、アジア地域の市場別アロケーションにおける日本のウエートを「アンダーウエート」としていたが、今回、戦術的観点から日本のウエートを「ニュートラル」に引き上げた。ただ、日本市場は引き続きマクロ・ミクロの両面で長期的な構造的課題に直面しているとして、今回の判断は「戦略的」でなく「戦術的」なものとみなされるべき、としている。
また09年末から10年春にかけてのラリーでは、米ドル感応度の高いバリュー株が上昇のけん引役となった。GSは、日本株の追い上げが当面続くとの想定に基づき、米国売上比率が相対的に高く、PBR(株価純資産倍率)が低いなどの輸出企業──たとえばセイコーエプソン6724.T、第一三共4568.T、ソニー6758.T、ケーヒン7251.T、コニカミノルタホールディングス4902.T、日産自動車7201.T、エフ・シー・シー7296.T、ホンダ7267.Tなどに注目したい、としている。