[ストラスブール 22日 ロイター] 欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)は22日、通貨ユーロについて、アイルランドの公的財政をめぐる市場の懸念で弱まったとし、現在はファンダメンタル価値に近い水準、との認識を示した。
同委員は「実質実効レートにおいて、ユーロは、2009年末の過大評価水準から10年の全般的下落を経て、現在では長期的平均水準に近い。欧州委および国際通貨基金(IMF)が推定する均衡レートからも、ユーロはファンダメンタル価値に近いことがうかがわれる」と述べた。
さらに「ユーロの実質実効レートは年初から7%下落している」とした。
先進諸国経済の回復が減速していることや、新興市場国に大量の資金が流入していることを背景に、多くの国々で自国通貨の下落、もしくは上昇の歯止めが関心事になっていると指摘。「ソウルで開かれた20カ国・地域(G20)会議で、自国通貨の競争的な切り下げの自制に向けて合意が得られたことは重要な一歩と考える」と語った。