[フランクフルト 2日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は2日、主要政策金利を過去最低の1.00%に据え置くと発表した。トリシェ総裁は緊急流動性措置を継続すると表明したが、ユーロ圏債務危機に対応するための国債買い入れプログラムの規模拡大には言及しなかった。
金利据え置きは19カ月連続で、エコノミストの予想通り。
ロイターが実施したエコノミスト調査では、74人全員が金利据え置きを予想していた。
下限金利の中銀預金金利は0.25%に、上限の限界貸出金利は1.75%にそれぞれ据え置いた。
トリシェ総裁は理事会後の記者会見で、ぜい弱な状況となっているユーロ圏の銀行に対する流動性供給措置の継続を決定したと発表した。しかし、国債買い入れプログラム拡大については言及しなかった。
ギリシャ危機を受け、ECBは5月から国債買い入れプログラムを通じ、債券の買い入れを開始した。総裁は買い入れの継続を明言したものの、それ以上のコメントは差し控えた。
「われわれは常に警戒し、市場の状況を注視している」とし、「証券市場プログラム(SMP)は継続している。繰り返して言うが続いている。市場参加者の見方についてはコメントしない」と語った。
欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)によるアイルランド救済が、他のユーロ圏周辺国に対する不透明性を払しょくするに至らなかったことで、ECBによる追加措置を求める圧力が高まっていた。
ECBが政府債買い入れプログラムの拡大を検討していることがトリシェ総裁の会見で、示唆されなかったことを受け、ユーロは下落、独連邦債先物はこの日の高値をつけた。