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金価格が最高値、再び存在感を増す資源関連株

 水野 文也記者

 12月7日、金価格が最高値更新。写真は先月、仏パリで(2010年 ロイター/Jacky Naegelen)

 [東京 7日 ロイター] 金価格が最高値を更新したほか、商品市況が全般的に堅調となる中で、株式市場では資源関連株が再び存在感を増そうとしている。

 ここにきて米景気の行方に不透明感が漂い、為替相場は円高に振れ気味となっていることも資源株見直しの背景。低金利継続により商品市況は流動性相場が続くとの見方が広がる一方、円高によって主力の輸出関連株に手掛けにくさが強調されており、関連銘柄は先行き物色のリード役を担うとみる関係者が少なくない。

 週明け6日のロンドン自由金市場の金塊相場は続伸、1オンス=1417.85ドルと前週末終値比10.675ドル高で引け、先月9日に付けた終値ベースの史上最高値(1416.55ドル)を上回った。一方、6日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場原油は4日続伸、標準油種のWTI先物は終値で約2年ぶりの高値で引けるなど、商品市況の上昇が目立っている。

 前週末に発表された11月の米雇用統計で非農業部門就業者数が予想を下回り、金融緩和状態は変わらないとの見方が広がった上に、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が量的金融緩和策を拡大する可能性を示唆したことで「金融マーケット全体に流動性相場が続きそうな状況になってきた。そうした中、余剰資金の行き先はドル安に対するヘッジのニーズもあるため、金などコモディティ市場に向かいやすくなっている」(商社系商品会社情報担当者)という。

 最高値を更新した金相場の動きが目立つが、原油や銅、大豆といった他の商品についても先高感が膨らんでいる。原油に関してはWTI先物の中心限月が1バレル=90ドルに接近してきたが「コール・オプションで権利行使が各100ドル、105ドルの建て玉が増加している状況から、原油価格は100ドルがターゲットになっている状況だ」(日本ユニコム・調査情報部長の菊川弘之氏)との分析もあった。

 リーマンショック以前のコモディティ・バブルにおいては原油先物が独歩高となる局面があったが、今回は当時とは様相を異にして幅広いジャンルで上昇相場が形成されるとの見方が出ている。アストマックス・運用部ファンドマネージャーの江守哲氏は「2─3年前まではコモディティ指数に投資する形でファンド筋の資金は商品市場に流入するケースが多かった。しかし、今はETF投資が主流になっている」と指摘。江守氏によると、インデックス型投資の場合、商品別では指数構成比が高い原油が主導する形になるものの、ETF投資では個々の商品に投資する形になることから、パフォーマンス上で原油の優位性が薄れ、その分、他の商品の上昇余地が広がるという。

 こうした点を背景に株式市場では、原油、銅などの金属、穀物など幅広いジャンルでビジネスを展開する商社株の注目度が高まってきた。さらに、銅など資源価格の上昇で、鉱山開発が進むとの読みから、鉱山機械に強みを持つコマツ6301.Tが人気化。金価格上昇でこのところ住友金属鉱山5713.Tも買いを誘っているほか、JXホールディングス5020.Tは9月以降の戻りトレンドを継続している。7日の市場でコマツは、東証1部売買代金第2位と商いを伴って上値を追った。コマツでは上半期に中国で、露天掘りの鉱山開発が進む中、米子会社で生産する超大型ダンプトラック「930E」を44台新たに受注したとしている。

 明和証券・シニアマーケットアナリストの矢野正義氏は、今後の資源関連株の動きについて「ドル安/円高が気にされる中にあって、ドル安の要因が米景気の先行き不安、それに伴う低金利継続、流動性相場により商品市況が上昇すれば、資源株に物色のホコ先が向けられる可能性が高い」と指摘していた。

 もっとも、コモディティ市況の上昇は、株式市場にとってネガティブに作用するケースも少なくない。とりわけ「大豆など穀物市況の上昇から食品株への影響が懸念される」(準大手証券情報担当者)という。企業からは「発酵原料となる糖類に関しては粗糖相場上昇に伴う原燃料高の影響を受ける」(味の素2802.Tの長町隆常務)といった声もあった。円高で市況上昇を相殺できる面もあるが、最近では大手各社が海外展開を進めているため、過去に比べて原料高のリスクが大きくなっているとの見方も出ている。

 野村証券金融経済研究所・所長の海津政信氏は「かりに、原油相場が1バレル=100ドルを超すような上昇になると企業の交易条件が悪化し、来期業績見通しのリスク要因になる」と語っていた。

 (ロイター日本語ニュース 編集 内田慎一)

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