[ニューヨーク 9日 ロイター] 9日のニューヨーク外国為替市場は、ユーロ/ドルが下落。フィッチ・レーティングスがアイルランドの格付けを「BBB+」に引き下げたことを受け、ユーロ売りが進んだ。
この日実施された米30年債入札には旺盛な需要がみられた。これを受け米国債利回りは低下、ドルは対円で売られた。
ドル/円は0.5%安の83.63円。米国債入札を受け、一時83.51円まで下げた。
UBSのシニア為替ストラテジスト、アメリア・ボードー氏は「ユーロ圏のソブリン債問題は続いている。ユーロ圏から他の大きな問題が浮上するリスクがかなりある」との見方を示した。
フィッチはこの日、アイルランドの格付けを3段階引き下げた。
ユーロ/ドルは0.1%安の1.3241ドル。EBSによると、一時1.3164ドルをつけた。
アイルランドに関する結果がどのようなものになろうとも、市場参加者はスペインなどのユーロ圏他国の債務問題を引き続き警戒しており、ユーロは今後も圧迫される可能性が高い、と多くのアナリストは指摘する。
ファルクラム・アセット・マネジメントのマクロストラテジスト、バジレイオシ・グキオナキス氏は「スペインの問題は、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル全部を合わせた規模よりもはるかに大きい。政府債務の多くを国内銀行が抱えていることから、銀行セクターは主要問題だ。政府の財務状況がうまくいかなかった場合、銀行のバランスシートは大きな打撃を受けるだろう」と指摘した。
2年債利回りの今週の上昇は15ベーシスポイント(bp)以下にとどまっており、10年債利回りほどは上昇していない。米連邦準備理事会(FRB)が当面は利上げを行わないとの観測により2年債利回りは抑えられている。
クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、ダラハ・マーハー氏は「金利が為替の大きなけん引役になるためには、2年債利回りが動く必要があるが、まだそれはみられない」と述べた。
ドル/円 終値 83.71/75
始値 83.89/93
前営業日終値 83.99/03
ユーロ/ドル 終値 1.3237/42
始値 1.3223/25
前営業日終値 1.3260/65