[フランクフルト 16日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は16日、自己資本を現在の57億6000万ユーロから107億6000万ユーロへ、ほぼ倍増させると発表した。市場の不安定性と信用リスクが高まっていることや、金融システムの規模が拡大していることが理由としている。
ECB関係筋は今週、ロイターに対し、ユーロ圏16カ国の支援に向け買い入れたユーロ圏周辺国国債の損失リスクをカバーするために、ECBが資本増強を検討していることを明らかにしていた。
ECBの声明によると、ユーロ加盟国の中央銀行は増資分を均等に3回に分けて拠出する。第1回の増強は12月29日に行われ、その後、2011年末、2012年末に行われる。
一方、ユーロ非加盟国に対する割り当て比率は、現在の7.00%から3.75%に引き下げられるため、ユーロ非加盟国の拠出割合に大きな変更はない。
ECBは「資本増強は、為替相場、金利、金価格、信用リスクの変動が高まっていることを鑑み、適切と見なされる」とし「長期的観点から、12年ぶりとなる増資は、大きく成長した金融システムに対し適切な資本基盤を提供する必要性も一因だ」とした。
ECBの発表を受け、ドイツが直ちに支持を表明した。
今回決定されたECBの増資は、欧州連合(EU)、およびECBに関する法律の下で可能な限り最大規模となる。