[東京 22日 ロイター] ソニー6758.Tの平井一夫・執行役EVP兼ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)社長は22日、ロイターなどのインタビューで、携帯型ゲーム機と携帯電話の融合について「プレイステーションらしさを考えて入らないといけない」と述べて、商品展開の可能性を追求していく意向を示した。
平井執行役は、携帯型ゲーム機「プレイステーションポータブル(PSP)」と携帯電話の融合機器について「うわさされているようだが、いろいろな可能性は追求しないといけない」と述べた。ただ、アイフォーンやアンドロイド携帯で遊べるゲームに対して「SCEが目指しているゲームは『没入感』の点で世界が違う」と強調。その上で「プレステらしさを考えて入らないといけない」と話した。ソニー・エリクソンとの協力関係についても「これまでも協業はしてきたが、この1年半で加速度的に対話が進んでいる」という。
一方で、PSPは2004年12月に発売して6年が経過。平井執行役は、PSPの次世代機について「社内で議論をしているが、いつになると案内できる段階ではない」と話した。さらに、次世代機のイメージについては「タッチパネルは否定しないが、フィジカルなボタンがあった方が没入感がある」などと話し、コンテンツ業者などと議論しているとした。
米アップルAAPL.Oの「iPad(アイパッド)」を中心にタブレット端末の市場が拡大しているが、ソニーは米グーグルGOOG.Oとの提携で、アンドロイドOSを搭載した情報端末を開発する方針を示している。平井執行役は、タブレット端末について「ソニーとして商品投入していく」との意向を改めて示した。また、グーグルの基本ソフト(OS)「クロームOS」を搭載したパソコンの開発については「ウィンドウズがある一方でクロームもポテンシャルがある。どのように商品展開していくかは社内で議論している。ただ、いつ商品が出るかということまでには至っていない」と話した。
<PSNは11年度に黒字化へ>
ソニーは、オンラインサービスを拡充している最中で、映像・音楽配信の「Qriocity(キュリオシティ)」、ゲーム配信の「プレイステーションネットワーク(PSN)」、電子書籍の「リーダーストア」のサービスをそれぞれ展開しており、これらオンラインサービス全体で2012年度に3000億円の売上高を計画している。ただ、それぞれの事業としては赤字の段階で、平井執行役は「PSNについては2011年度に黒字化を目指す」と話した。
PSNの売上高は09年度に360億円で、10年度は約2倍を目指すという。PSNのアカウントは11月時点で6000万件を突破。この点について平井執行役は「ビジネスが大きくなる土壌が出来ている。PSNとしてコンテンツを増やしていけば売上は伸びて行くだろう」と語った。
(INVESTMENTVIEWS)
(ロイター日本語ニュース 村井 令二)