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アジア事業と日興コーデの強化が課題、M&Aも選択肢=三井住友FG社長

 [東京 30日 ロイター] 三井住友フィナンシャルグループ8316.Tの北山禎介社長はロイターとのインタビューで、当面の課題としてアジア事業と日興コーディアル証券の強化を挙げた上で、事業拡大のためにM&A(買収・合併)も選択肢だと説明した。

 12月30日、三井住友FGの北山禎介社長はロイターとのインタビューで、当面の課題としてアジア事業と日興コーディアル証券の強化を挙げた上で、事業拡大のためにM&A(買収・合併)も選択肢だと説明した。6月撮影(2010年 ロイター/Issei Kato)

 主な一問一答は以下の通り。

 ──当面の課題は何か。

 「アジアの強化と日興コーディアル証券の強化は同列で重要だ。アジアではリテール展開も想定しているし、ホールセール部門は資源・エネルギー関連のプロジェクトファイナンスなどのインフラ関連やトレードファイナンスもやっていく。また、決済サービスも特にアジア中心にやりたい。これらは商業銀行の世界だ」

 「もう一つは日興コーディアルのホールセール機能をもっと強めていきたい。これは海外も含む」

 ――どういう手段で強化するのか。

 「戦略の遂行上、自前で育てるよりは買ってしまった方がいいとか、合弁や提携、部隊を引き抜くなど、いろいろな方策がある。選択の幅がある中で、どうやれば時間軸が短く効果が上がるのかを考えて選ぶ」

 ――買収に際してはどれぐらいの規模を考えているか。

 「資本の余裕や規制上の資本を超えるような場合、増資するのも選択肢の1つだ。したがって、どれだけの規模になるのかはあらかじめ限定しない。もしかしたら、日興買収のような大きな投資の場合、新たな資本調達で行う可能性もないわけではない。戦略の遂行上、効果があり、1株利益の改善に貢献するかどうかを考えて決める」

 ――日興の弱点はどこか。

 「日興は、ホールセールを強化しなければならない。当初想定よりはよくやっていると思うが、やはり競争に勝たないといけない。時間は許してくれない。米シティグループC.Nと補完関係にあるが、自前でロンドンやニューヨーク、香港に展開してきた。弱いところは海外機関投資家とのパイプだ。人材とネットワークの充実が必要だ。M&A(合併・買収)もそういうところが必要だ」

 ――米国の銀行に関心はあるか。

 「北米も国際部門中心にフィージビリティースタディーをしているが、米国の場合は独自の金融改革法の規制のすう勢をよく見ないと結論を出しづらい。将来的な可能性としてはあるかもしれないが、具体的な話には全然なっていない」

 ――国際的に業務展開しシステム上重要な金融機関「G―SIFIs」に分類されたら増資が必要なのではないか。

 「(追加的な資本規制となる)サーチャージがどの程度なのか、形態がどのようなものか議論されている最中だ。その辺が見えないとコメントしようがない。ただ、Gという一番高いグループに入らないと国際業務ができないとか、あるいはできても片手間でしかできないなどの位置づけではないのではないか」

 (インタビュアー:布施太郎 浦中大我)

 *このインタビューは12月28日に実施しました。

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