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過剰流動性背景のリスク選好継続、米金融緩和続くとの見方

 [東京 19日 ロイター] 19日午前の東京市場は、リスク選好の地合いが継続し株高・債券安。欧州債務不安がいったん後退しユーロ/ドルが上昇した。景気回復期待と過剰流動性の共存が続いている。

 1月19日、午前の東京市場は、リスク選好の地合いが継続し株高・債券安。欧州債務不安がいったん後退しユーロ/ドルが上昇した。写真は東京証券取引所。先月撮影(2011年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 食料価格高騰による社会不安が一部の外国諸国で広がっており、過剰流動性の問題が出ているが、米国経済が持続的成長軌道に乗るまではFRB(米連邦準備理事会)は量的緩和策を継続するとの見方が多い。

 <食料価格高騰でも米金融緩和は続くとの見方>

 日経平均は続伸。ロシアのクドリン財務相が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)債取得にロシアが関心を示す可能性があると述べたことで欧州不安がいったん後退したほか、米アップルAAPL>など堅調な米企業決算が続いていることで堅調な地合い。欧州系やヘッジファンドからの買いが観測されている。市場では「欧州系の実需買いが継続している一方で、先物に国内勢のヘッジ売りや利益確定売りが出て上値を抑えられている。欧州財政懸念の後退と米景気回復期待を背景に底堅さは持続しそうだが、日経平均の本格的な再上昇は国内企業の2010年4―12月期決算を見極めてからだろう」(東海東京証券エクイティ部部長の倉持宏朗氏)との声が出ていた。

 チュニジアやアルジェリアなどアフリカ諸国で起きている混乱の背景には食料価格の高騰があるとみられており、失業率の高さもあって社会的な不満が強まっているという。新興国経済の拡大にともなう需要の増加に加え、先進国の超金融緩和が生み出した過剰流動性が商品市場という比較的小さなマーケットに流れ込み、価格高騰を引き起こしている。

 国際連合食糧農業機関(FAO)が算出する食料価格指数は昨年12月に過去最高を記録。2010年では25%の上昇となった。

 ただ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は「コアPCE価格指数などマクロ経済指標が明確に上向かない限りFRBは量的緩和策を継続する可能性が大きい。バーナンキFRB議長は、食料価格高騰を承知の上で緩和を続けるだろう。過剰流動性がコモディティや株式市場にしばらく流れ込み続けそうだ」との見方を示している。

 前週発表された1月米ミシガン大消費者信頼感指数速報値が予想外に低下したこともあり、市場では、きょう発表の12月米住宅着工件数が悪化すれば「米景気回復にも疑問が出て金融緩和継続予想が強まり、ドル安・円高に進む可能性がある」(国内証券市場調査部)との声も出ていた。

 <欧州の財政不安後退でユーロ高・ドル安地合いに>

 外為市場は欧州の財政不安後退でドル売り地合いが強まり、ドル/円が2週間ぶりの安値をつけた。ユーロは前日の流れを引き継ぎ堅調で、市場では一段のユーロ高を予想する声も出ている。BNPパリバの為替ストラテジスト、メアリー・ニコラ氏は「数週間以内に1.36ドルに向かって上昇すると予想している」と話す。

 足元でユーロを買っているのは中東などの政府系ファンドと見られる。通貨が上昇している新興国がドル買い介入をする一方、「リバランスでドル売りユーロ買いをしなくてはいけない」(みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)という。

 一方で唐鎌氏は「ここまでくるとディーラーとしては1.35ドルを見ないといけないがファンダメンンタルズ面からはそこまで上がる理由は見当たらない。買い材料はないが、落ちたら買いたいという人はいる」と話している。

 <円債市場では、あすの20年債入札を控えた動き>

 円債市場では、国債先物が続落した。前日の海外市場で、米国債相場が下落した流れを引き継いだ。市場では「グローバルに債券が売られている中で、20年国債入札をあすに控え、在庫を軽くしておこうという動きが出ている」(外資系運用会社)との見方が出ていた。

 別の外資系金融機関の関係者は「先週から超長期ゾーンのパフォーマンスが悪かったが、きのうあたりから20年が底堅くなる一方で、調子が良かった7年から10年セクターが売られ始めている。スティープニング取引を構築した投資家が、利益を確定し始めているのではないか」と話した。

 長期金利の指標銘柄となる10年312回債利回りは前日比2ベーシスポイント上昇の1.240%で取引が始まり、一時1.245%まで売られた。

 もっとも、市場では「日経平均、円の対ドル相場はいずれもこう着状態となっており、外部環境面で円債市場が一段と下押す懸念は乏しい」(国内証券)との声も多い。「10年312回で1.25%付近にしっかりした買い値が観測されており、下値不安が広がるには至っておらず、(政治不信や財政懸念などを手掛かりに)金利観が上向くには時期尚早ではないか」(前出の国内証券)という。

 (ロイター日本語ニュース 金融マーケットチーム) 

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