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訂正:首相の「疎い」発言に市場冷ややか、国債格下げで気迷いも

 [東京 27日 ロイター] 「やはり来たか」。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による日本国債格下げは、昨年末から市場でにわかに取りざたされ、「疎かったのは菅直人首相だけでは」(邦銀)と冷ややかだ。しかし、今後の長期金利の推移には、不透明感が漂う。

 1月27日、S&Pによる日本国債格下げは、昨年末から市場でにわかに取りざたされ、疎かったのは菅首相(写真)だけではとの声もあり冷ややかだ。昨年9月、都内で撮影(2011年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 S&Pが格下げ対象にした日本の長期国債格付け。従来の「AA」から「AAマイナス」に1段階引き下げられたが、機械的に投資対象から外されるダブルA格ラインは死守した。

 国債相場への悪影響について、専門家は一様に限定的と読む。BNPパリバ証券東京支店の島本幸治・投資調査本部長は「日本の財政規律に対して警鐘を鳴らしたが、長期金利が跳ね上がることはないだろう」と予想する。

 日本国債をめぐっては、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが2002年にシングルA格に引き下げたが(訂正)、長期金利はむしろ低下基調をたどった。みずほ証券の高田創チーフストラテジストは「S&Pは、財政状況の悪化を格下げ理由にしており、PIIGSで問題となっている経常収支の赤字とは趣が異なる。これで、長期金利が上昇基調に入るかどうかは懐疑的だ」と話す。

 初めて聞いた。そういう話には疎いので、ちょっと(質問は)またあらためてにさせてほしい――。27日夕、日本国債の格下げについて、記者団に問われた菅直人首相の発言をめぐり、大手銀行で市場部門を担当する関係者からは、こんな声が漏れた。「寝耳に水だったのは菅首相だけ。昨年末にうわさが出た段階でプライスイン(織り込み)されており、記者団に『今、初めて聞いた』と答えてしまう首相の見識は、にわかに信じ難い」。

 外資系金融機関の債券ディーラーは「新手の(為替)口先介入であって欲しい」と困惑する。

 とはいえ気迷いはある。キャッシュ(現物国債)の9割超を国内投資家が保有する状況だが、国債先物や金利スワップを巧みに組み合わせた売り仕掛けが、長期金利を押し上げかねない。海外の年金基金がどう動くかも、実際には読み切れない。

 「アセットマネジメントの一環として、日本国債を売却する一方、トレジャリー(米国債)やブンズ(独国債)を購入する動きが強まれば、無傷ではいられない」(前出の外資系金融機関)との声もある。

 (ロイター・ニュース 山口貴也;編集:伊賀大記)

 *訂正:4段落目の「日本国債は2002年にはシングルA格に引き下げられた」との記述を「日本国債をめぐっては、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが2002年にシングルA格に引き下げた」に訂正します。

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