[ニューヨーク 31日 ロイター] 31日の原油先物市場で、北海ブレント先物が2008年以降で初めてバレル当たり100ドルの大台を突破した。エジプトの政情不安や需要拡大予想を背景に前営業日から1%以上上昇した。
エジプトではムバラク大統領に退陣を要求する大規模なデモが続いており、スエズ運河を航行する原油輸送やエジプト国内を走るパイプラインに対する懸念が強まっている。ムバラク大統領は国民の怒りを和らげようと、内閣総辞職を決断した。
北海ブレント原油は世界的な需要の増加を受けて昨年8月の70ドルの水準から上昇していたが、今回100ドルを突破したことで、燃料価格の上昇が世界的な景気回復を失速させるのではないかとの消費国側の懸念も高まっている。
一方、石油輸出国機構(OPEC)の当局者らは市場で原油不足は起きていないとし、ただちに増産を行う必要はないと述べている。
今年の冬の北半球の厳しい寒さも原油の上昇を下支えしており、この日発表された1月のシカゴ購買部景気指数が22年ぶり高水準となったことや12月の米消費支出の伸びが加速したことも需要拡大予想を支援する要因となった。
ロンドン市場でICE北海ブレント先物3月限は1.59ドル高の101.01ドルで取引を終了した。一時、中心限月としては2008年9月以来の高値となる101.73ドルをつけた。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の先物3月限は2.85ドル(3.19%)急伸し、92.19ドルで引けた。ザラ場の高値は92.84ドルだった。終値、ザラ場高値ともに2008年10月以来の高水準。
また、原油など19商品の先物相場で構成されるロイター/ジェフリーズCRB指数は5.98ポイント(1.78%)高の341.42で終わった。1月全体では2.6%の上昇で、同指数は5カ月連続で上昇したことになる。