for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

長期金利一時9カ月ぶり高水準、海外ファンドが国債売り

 [東京 7日 ロイター] 長期金利に上昇圧力がかかっている。7日の東京市場では指標10年国債利回りが一時、昨年5月以来9カ月ぶりに節目の1.3%台に乗せた。

 2月7日、東京市場では指標10年国債利回りが一時、昨年5月以来9カ月ぶりに節目の1.3%台に乗せた。写真は端末を見つめるトレーダー。昨年10月撮影(2011年 ロイター/Issei Kato)

米国の失業率低下を受けて連邦準備理事会(FRB)の量的緩和第3弾(QE3)に黄信号が灯り、欧米などの海外ファンドが、先物相場で「国債売り」に傾いているという。

 市場で「米金融緩和策をめぐる時間軸効果が薄れてくるのではないか」(JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジスト)との見方が広がっている。4日の海外市場で発表された1月の米雇用統計は、雇用者数の伸びは市場予想を大幅に下回ったが、失業率が9%と予想に反して改善したためだ。

 米雇用指標は、米国の景況感を見極めるうえで注目度が高い。4日のニューヨーク市場では、米景気の回復期待が広がり、米10年債利回りが一時3.66%と昨年5月以来の水準に上昇。外国為替相場は、ドル買い/円売りが優勢となった。

 ある米系証券の関係者は「職探しをあきらめる人が増えれば、実際に労働者数が増えなくても、表面上の失業率は低下する。ただ『失業率8%台』が視野に入り、米金融政策の先行きは、だいぶ景色が変わってきたのではないか」と話す。

 三菱東京UFJ銀行の小田尚志・円貨資金証券部ALM戦略グループ調査役は「失業率がFRBの11年見通し(昨年11月公表、上限9.1%)に収まり、6月末以降の米国債購入延長の可能性は、限りなく小さくなった」と指摘する。

 FRBは、昨年11月の連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の第2弾(QE2)を導入。6月末にかけて総額6000億ドルの長期国債を購入する計画を打ち出したがその後の方向性は示していない。「『QE3はない』とみた海外ファンドの国債先物売りが金利上昇を主導しているが、こうした状況がトレンド化するかどうかは、9日のバーナンキFRB議長の証言がカギを握っている」と、外資系金融機関の債券ディーラーは話す。

 市場では「3日の『失業率が一段と正常な水準に戻るまでには数年を要する』との判断を踏襲するのではないか。1月の雇用統計を受けて雇用判断や政策方針を変えることはないだろう」(みずほコーポレート銀行の唐鎌大輔マーケットエコノミスト)との声が多いが、FRBのスタンス次第で、スペキュレーションを経由した金利上昇に拍車がかかる可能性もある。

  <新興国から資金引き揚げも>

 株式市場では日経平均が続伸。1月13日の高値(1万0620円57銭)を上回り、一時9カ月ぶりの高値圏に浮上した。市場では「海外勢が新興国市場から先進国市場に資金をシフトさせている」(大手証券エクイティ部)との見方が出ている。

 国内で12月鉱工業生産指数(速報値)が前月比3.1%上昇。米国では、1月ISM製造業景況指数が改善するなどファンダメンタルズの回復が鮮明。「企業業績の改善やM&Aへの期待感が下支えている」(大和証券キャピタルマーケッツ金融証券研究所・投資戦略部次長の西村由美氏)との声もあった。

 一方、為替市場でも新興国市場の上場投資信託(ETF)から大量の資本流出が起きていることが話題を呼んだ。「ヘッジファンドは依然ユーロ・ロングをキープしている。中東情勢の混乱で、新興国から引き揚げたマネーの一部がユーロに流入している」(外銀)という。

 (ロイターニュース 山口貴也)

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up