[サンティアゴ/サンパウロ 8日 ロイター] 8日発表された統計によると、ブラジルとチリのインフレは1月に加速した。食品価格と交通費の上昇が背景にあり、両国の中銀に利上げ圧力が強まりそうだ。
インフレの加速を受けて、市場では、ブラジルとチリの中銀が次回の金融政策会合で利上げを実施する。との観測が高まっている。両国では、インフレの抑制に向け、すでに金融政策の引き締めを行っている。
中国人民銀行(中央銀行)は8日、6週間超で2度目の利上げに踏み切った。先月には、インド、タイ、ペルー、イスラエルが利上げしており、欧州中央銀行(ECB)もインフレへの警戒感を鮮明にしている。
ブラジル地理統計院が発表した1月のIPCA消費者物価指数(CPI)は前月比0.83%上昇、12月の0.63%上昇から加速した。
ゴールドマン・サックス(ニューヨーク)のシニアエコノミスト、アルベルト・ラモス氏は「ブラジルでは、インフレに歯止めをかけるためには、財政など政策を引き締める必要がある」との見方を示している。
ブラジルのマンテガ財務相は、1月のインフレ率が加速したことについて、世界的なコモディティー価格の上昇と季節要因が背景にある、と強調し、インフレ率は向こう数カ月間で鈍化する、との認識を示した。
1月のチリCPIは前月比0.3%上昇し予想と一致した。チリではブラジルほどインフレ懸念は強くないが、ロイター調査によると、2月17日の中銀理事会では利上げが決まるとの見方でほぼ一致している。
統計を受けて、ブラジルレアルは0.77%上昇して取引を終えた。チリペソも上昇したが、その後押し戻されほぼ横ばい。