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景気踊り場脱却の蓋然性、従来より高まっている=1月日銀議事要旨

 2月18日、日銀が発表した1月24─25日開催の金融政策決定会合の議事要旨によると、多くの委員が、日本経済の先行きについて「緩やかな回復経路に復していく蓋然(がいぜん)性はこれまでに比べて高まっている」との認識を示したことが明らかに。写真は15日、都内の日銀で撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

 [東京 18日 ロイター] 日銀が18日に発表した1月24─25日開催の金融政策決定会合の議事要旨によると、多くの委員が、日本経済の先行きについて「緩やかな回復経路に復していく蓋然(がいぜん)性はこれまでに比べて高まっている」との認識を示していたことが明らかになった。

 踊り場脱却のタイミングについてある委員は、今年1─3月期が「十分に展望可能」と発言した。日銀は2月14─15日に開いた金融政策決定会合で、景気の現状判断を「改善テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある」に前進させた。

 1月会合では、景気の現状判断について「緩やかに回復しつつあるものの、改善の動きに一服感がみられる」との認識で政策委員が一致した。もっとも、多くの委員が、世界経済の成長の高まりや輸出、生産などが持ち直すとの見通しを背景に、景気踊り場脱却のタイミングについて「春ごろ」や「1─3月期」と早期に実現できると指摘した。ただ、踊り場脱却後の展開は、何人かの委員が「不確実性が残っている」ことを付言した。また、物価面では、多くの委員が、最近の国際商品市況の上昇が消費者物価に波及する可能性を指摘した。もっとも、何人かの委員は、マクロ的な需給バランスが緩和された状態にある中では、国際商品市況の上昇が最終消費財に価格転嫁される程度は「限定的」と発言。ある委員は、為替相場が過去に比べて円高方向にあることが「市況上昇による交易条件への影響を相殺する側面もある」と述べた。物価上昇率が中長期的な予想物価上昇率に収束していく力については、何人かの委員は「引き続き慎重にみている」とした。

 リスク要因については、多くの委員が「景気面では、上振れリスクと下振れリスクが、おおむねバランスしている」と評価。下振れ要因として大方の委員が先進国経済の動向を挙げたが、このうち米国について複数の委員が「バランスシート調整の重石を考慮すれば、このところ市場で広がっている楽観論は、昨年前半同様、やや行き過ぎ」と指摘。その上で、複数の委員は、米国経済動向を背景とした長期金利や為替相場の変動が日本経済に与える影響について「マインド面を通じた影響も含め、引き続き十分に注意していく必要がある」との認識を示した。また、複数の委員は欧州のソブリン・リスク問題に関して「国際金融資本市場や金融システムが不安定化した場合、わが国にも相応の影響が及ぶ」とし、ある委員は「わが国の財政問題についての市場の見方についても、留意していく必要がある」と指摘した。

 これらの点を踏まえた金融政策運営では、包括的な金融緩和政策の狙いの一つとなっている長めの金利の低下を促す効果について、ある委員が「長期金利の水準が一頃に比べて幾分上昇しているため、効果が見えにくくなっている」としながらも、「わが国の長期金利の上昇幅は、株価が上昇するもとでも米欧に比べて小さく、金利上昇を抑制する効果をもたらしている」と評価。何人かの委員は、物価安定が展望できるまで実質ゼロ金利政策を継続する方針を「粘り強く説明」していくことで、「時間軸に対する市場の信認を確保していくことが重要」との認識を示した。また、金融市場調節に関して複数の委員は「機動的なオペレーションは重要」としながらも、「金融市場調節方針は、金融政策決定会合で決定されるものであり、日々のオペレーションや当座預金残高の推移によって、金融政策運営についての情報発信が行われるわけではない」と発言した。 

 日銀は1月の定例会合で金融政策の現状維持を決定するとともに、昨年10月に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の中間評価を行い、2010年度と11年度の実質経済成長率を3.3%、1.6%に修正した。白川方明総裁は会合後の会見で、国内景気の先行きについて「早晩回復基調に復していく」との見方を示した。

(ロイターニュース 伊藤純夫)

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