[香港/シドニー 23日 ロイター] JPモルガンの試算によると、ニュージーランドで22日起きた大地震の被害に対する保険金支払いは120億米ドルに達する可能性があり、史上2番目に高い額となるとみられている。
JPモルガンの調査リポートを確認した関係者が明らかにした。
同社アナリストのマイケル・ハットナー氏はリポートで、昨年9月4日にニュージーランドを襲った強い地震の被害に対する保険金は60億米ドルだったが、これに続く今回の強い地震では、倒壊しなかった建物でも改修費用がかかり、さらに大きな金額となる可能性がある、と指摘した。
米保険情報機構のデータによると、地震による保険金が過去最高だったのは1994年に起きた米ノースリッジ地震の203億米ドル。
JPモルガンは同リポートへのコメントを拒否した。
一方、ニュージーランドで保険を扱う豪インシュランス・オーストラリア・グループ(IAG)IAG.AXとサンコープSUN.AXはそれぞれ、今回の地震の保険金支払いは最大4000万米ドル程度で、その大半は再保険会社とニュージーランド政府機関である地震委員会によって支払われる見通しだ、と発表した。
ただ、IAGとサンコープは、今後4カ月以内に新たに大きな事象が起きた場合に備えるため、追加の再保険契約を結ぶ必要があることも明らかにした。
この追加コストを反映するため、IAGは2011年度の保険の利益率見通しを1%ポイント引き下げ、8─10%とした。引き下げは今月に入って2度目。
サンコープは利益見通しを開示していない。