[北京 24日 ロイター] チュニジアの「ジャスミン革命」を発端に中東や北アフリカで拡大する反政府デモが中国にも波及するとの懸念について、中国の政策助言機関である人民政治協商会議(政協)の趙啓正・外事委員会主任は、「中国ではジャスミン革命は起こり得ない」と一蹴した。
中国の主要13都市で「ジャスミン革命」の集会を開催しようとの呼び掛けは、米国を拠点とする中国語サイト「博訊(Boxun)」に先週末初めて掲載された。これに対し、当局側は北京中心部などで厳戒態勢を敷き、デモ開催を事実上封じ込めたが、同サイトでは引き続き毎週末に集会開催の呼び掛けが掲載されている。
24日付の中国系香港紙、文匯報によると、趙氏は記者団に対し「中国ではジャスミン革命は起こり得ない」とコメント。「中国でジャスミン革命が起きるかもしれないという考えは、極めて非常識かつ非現実的だ」と述べた。
中国の人気ウェブサイトでは、「ジャスミン」や「ジャスミン革命」を意味する中国語の検索ができなくなっている。
一方、これとは別に、1989年の天安門事件当時に学生リーダーの1人だった陳衛氏(42)が、国家政権転覆扇動容疑で警察当局に身柄を拘束されたことが分かった。
同氏の妻が23日、ロイターに語ったところによると、警察は家宅捜査で、同氏のコンピューター2台とハードディスクドライブ、書籍や印刷物を押収した。妻は、警察から容疑の具体的内容については説明を受けていないとしている。