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日本株の空売り比率は20%程度、株高トレンド崩れず

 [東京 25日 ロイター] 中東情勢の混迷で調整ムードが強くなっている日本株だが、空売り比率でみる限り、2010年11月からの上昇トレンドは崩れていない可能性がある。

 2月25日、日本株の空売り比率は20%程度で、2010年11月からの上昇トレンドは崩れていない可能性がある。写真は東京証券取引所。2009年12月撮影(2011年 ロイター/Toru Hanai)

 株価が中期的なピークを付けるときは10日移動平均の空売り比率が18─19%程度まで低下するケースが多いが、現在はまだ20%程度。足元でも空売り比率が増加傾向にある。日本株を取り巻く環境次第ではあるが、短期的な調整一巡後に株価は反転する、との見方が聞かれる。

 東証が日々公表している空売り集計では、投資家自身が保有する現物株を売る実注文と投資家が株券を借りてきて売る空売りの二種類がある。その二つを合計した1日の売り注文全体に対する空売り注文の割合は空売り比率と呼ばれ、仮需の動向を読む手掛かりの一つだ。空売り比率には個人投資家などによる信用取引のほか、機関投資家が直接大口株主と株券の貸借契約を結んで借りた株券を売却する取引も含まれる。空売りは将来的に買い戻しの原動力となることから空売り比率が大きくなれば株価はボトムアウト、小さくなればピークアウトを示唆するとみられている。

 UBS証券チーフストラテジストの平川昇二氏によると、東証が公表し始めた08年10月以降のデータでみると、株価のボトムアウト時の空売り比率(10日移動平均)はまちまちで予測は困難だが、株価がピークアウトする時の空売り比率は18─19%でほぼ一定だという。

 TOPIXと空売り比率の過去推移をみると空売り比率のボトムアウト後にTOPIXがピークアウトしたケースは08年10月以降で6回。いずれも空売り比率が18─19%台と低い数値でボトムを打ったその数日後に、TOPIXの上昇トレンドが一服し反転した。空売り比率の底打ちは買い戻し余力の低下を意味するため、売り方の踏み上げ一巡によりピークアウトするとみられている。

 空売り比率が一定水準でボトムアウトする背景として、平川氏は「ロングショート型ファンドなど一定のショートポジションを持たなくてはならない投資家の存在が空売り比率の低下に歯止めをかけるのでは」と推測する。さらに「TOPIXの価格水準が異なっても一定の空売り比率のボトムでピークアウトすることに有用性がある」(平川氏)といい売りのタイミングを計る一つの目安になると指摘している。

 直近の空売り比率(10日移動平均)の推移は、11年1月半ばには20%をやや下回る場面があったものの、1月後半にかけて再び上昇するなど一段の低下は避けられ、TOPIXの上昇トレンドは続いた。足元では再び低水準にあるが、20%水準にとどまっておりボトム圏とは言い難い。さらに日々ベースでは空売り比率が増加傾向にあり、18─19%への落ち込みは回避される可能性が大きい。

 前出の平川氏は「(足元の空売り比率が)警戒域に入りつつある」としながらも「過去の経験則からいえば空売り比率がもう一段低下しないと指数はピークアウトを迎えない」と指摘している。

 中東情勢の混迷を背景に日本株は軟調な展開が続いているが、空売り比率の低下が止まれば買い戻し余力が維持されることから、目先の底堅さにつながる。立花証券・執行役員の平野憲一氏は「空売りのウエートの高まりは先行きの買い戻しエネルギーとなり指数の押し上げ要因となる。中東情勢次第だが、日本株は上昇トレンドを崩しておらず、買い戻しを交えながら出直る可能性はある」と述べている。

(ロイターニュース 杉山容俊 編集:伊賀大記)

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