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中東・北アフリカの政情不安で株安、逃避資金は債券へ

 [東京 2日 ロイター] 2日午前の東京市場では、中東・北アフリカの政情不安を背景にリスク資産である株式が売られる一方で、資金の避難場所として債券が買い進まれた。為替市場では、リスク回避地合いからドルと円が共に買われ、ドル/円相場はこう着感が強まった。

 3月2日、東京市場では中東・北アフリカの政情不安を背景にリスク資産である株式が売られる一方で、資金の避難場所として債券が買い進まれた。写真は都内の外為トレーダー。昨年10月撮影(2011年 ロイター/Issei Kato)

 市場では「不安定な中東情勢がサウジアラビアまで及んできたため、米国債をはじめ、債券が全般的に買われている。欧米諸国によるリビアなどの資産凍結の動きも、リスク回避の流れを増幅している」(外国銀行)との指摘が聞かれた。  

 <株安>

 株式市場では、中東・北アフリカでの反政府デモを受けた原油高が景気回復や企業業績に影響を及ぼすとの懸念から、利益確定売りに押される展開となった。米国株の大幅反落や円高警戒感もあり、前日に上昇した反動なども売りにつながった。

 一方、下値では押し目買い意欲が強く、外国人投資家のバスケット買い観測などがサポートするとみられたものの、日経平均は軟調が続き、1万0500円台を割り込んだ。セクター別では、原油高を背景に石油関連株の一角がしっかりだったが、前日買い戻された金融株は再び売られた。前日の取引では金融株から自動車株に買いの対象が移るとみられていたが、円高基調で買いにくい地合いとなった。

 「先物主導で下げ幅を拡大した。イランでも反政府運動が始まり、地政学リスクを意識せざるを得ない状況だ。為替が1ドル81円台の円高に進んだことも懸念材料だ。当面は外部要因に振らされる展開だろう」(準大手証券情報担当者)との見方が示されている。

 他方、東京海上アセットマネジメント投信シニアファンドマネージャーの久保健一氏は、3月中旬までは地政学リスクや国内勢による持ち合い解消売りなどで売りに押されるが、中旬以降はこれらの要因が持ち直すとの見方を示す。 

 <債券高>

 円債市場では、国債先物が大幅に反発した。日経平均株価が大幅な下落となる中、株先物売り/債券先物買いが活発化した。

 前日の米債市場が中東・北アフリカの政情不安をめぐる懸念で買われた流れを引き継ぎ、前場はショートカバーが先行した。後場に入って、株の下落幅が拡大すると、一気に買い上げられた。

 市場参加者によると、買いの主体は銀行勢とみられる。「5年93回債から先物にかけて比較的しっかりした買いが入った」(外資系証券)という。前日の10年債入札は、好不調を示す最低落札価格が市場予想を下回り、市場では「低調だった」(東海東京証券)と評価された。ただ、その後利回りが上昇したこともあり、値ごろ感からの買いが入りやすかったのでは、との声が聞かれた。

 ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、この日の相場について「償還再投資の需要があり、そうしたニーズが顕在化した面もあるのではないか」と話した。

 前日のバーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言は消化難だった。前出の山下氏は「足元の原油高について一時的で比較的緩やかな上昇にとどまる可能性が高いとしつつ、情勢に応じて対処するとし、今後の原油価格の上昇やその影響に目配りするスタンス。一方で量的緩和第2弾については態度を明確にせず、FRBとしては、4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで2回の雇用統計を見極めた上で判断したいため、市場に予断を持たせたくないということではないか」とみている。

 <リスク回避でドル買い、円買い>

 為替市場では、海外でのリスク回避地合いを引き継ぎ、ドルと円がともに買われやすかった。ユーロが弱含んだほか、オーストラリアの経済指標やニュージーランド(NZ)首相の利下げ容認発言を受けてオセアニア通貨が下落した。

 ドル/円は81.90円を挟んでもみ合い。イランまで混乱が拡大した中東情勢の先行き不透明感から、アジア株が軒並み下落。外国為替市場はリスクを取りづらく、低金利通貨のドルと円が買われた。ドルと円の強さはほぼきっ抗した。

 ユーロは軟調に推移し、豪ドルとNZドルも下落した。ユーロは不透明な中東情勢に加え、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がポルトガルについて、国際通貨基金(IMF)などに支援を求めざるを得なくなるだろうなどと朝方に発表したことが重しになった。3日の欧州中央銀行(ECB)理事会を前に積極的に取引しづらい面もあるという。

 豪ドルはオーストラリアの10─12月期国内総生産(GDP)が弱かったことで売られた。NZドルは、政策金利引き下げを容認するニュージランド首相の発言が一部で報道されて急落した。

 前日のバーナンキFRB議長の議会証言は、米国の金融政策を見通す上で市場参加者から注目されていた。

 「景気の持続的回復を示す兆候が見られるが、一段と強い雇用創出がないと回復が真に根付いたとはいえない、というフレーズがいちばん刺さった。今後の金融政策はインフレと雇用を見て判断する、ということだったので、きょうのADP全米雇用報告や週末の米雇用統計、米消費者物価のコア指数に注目したい」(外為どっとコム総研の植野大作社長)との声が聞かれた。 

 (ロイターニュース 金融マーケットチーム;編集 山川薫)

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