for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

米FOMC:識者はこうみる

 [ニューヨーク 15日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は15日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、予定通り第2・四半期までに長期国債を6000億ドル購入する計画を再度表明し、超金融緩和政策を維持する方針を示した。

 3月15日、米FRBは同日発表したFOMC声明で、第2・四半期までに長期国債を6000億ドル購入する計画を改めて表明。写真はワシントンのFRB。2009年6月撮影(2011年 ロイター/Jim Young)

 市場関係者のコメントは以下の通り。

●下期に出口戦略のシグナル送る見込み

 <ネーションワイドの首席エコノミスト、ポール・ボーリュー氏>

 米連邦準備理事会(FRB)は景気が回復しているとの見方を示した。同時に、エネルギーと商品価格の上昇に伴うインフレ圧力が存在することも認めたが、これら要因は一時的、との見方を示した。

 メッセージはおおむねこれまでと変わりはない。出口戦略に関しては、下期に一段のシグナルを送ると考える。

 日本の状況は、状況を一変させる材料とは考えていない。どちらかといえば、バーレーンや中東地域の情勢が材料になるのではないだろうか。

●より強気な内容、日本大地震を脅威と見ておらず

 <TD証券のチーフエコノミスト兼金利戦略部長、エリック・グリーン氏>

 米連邦準備理事会(FRB)が、全体的な見通しの中で、リスク動向をどうとらえるかという点において、日本での出来事や地政学的問題はほとんど重しにはなっていない。

 物価が安定している状況で、資源利用の水準が徐々に高水準に戻っていると指摘しており、声明はより強気な内容だ。前回声明では、失望的なほど緩慢だとしており、より強気なトーンに変化している。また景気回復の足取りも力強さを増していると指摘しており、全体的な景気認識を上方修正している。

 またFRBは事実上、ディスインフレの終えんを宣言した。

 原油相場の動向に関して、FRBが一時的なものとみていることは明白で、これは金利にとって弱気な見方だ。

 東日本大震災については、見通し全般に対する脅威とみなしている兆候は全く示されていない。

●原油100ドル近辺なら早めの利上げの可能性

 <テンプス・コンサルティングのトレーディング部門バイスプレジデント、グレッグ・サルバッジオ氏>

 最も興味深いのは、商品相場がインフレに上向き圧力をかけていると指摘していることだ。連邦公開市場委員会(FOMC)は、エネルギー相場を注視し始めていることを示唆している。原油相場が100ドル近くで推移すれば、それは、連邦準備理事会(FRB)が割合早く利上げする可能性を意味しているかもしれない。

●焦点だった時間軸の文言も据え置きで内容に変化なし

 <外為どっとコム総合研究所 植野大作社長>

 外為市場に特段の影響はなかった。景気判断の面では一歩前進だったが、政策金利は据え置きであり、QE2(量的緩和第2弾)は計画通り実施するとの内容だった。最大の焦点だった時間軸に関する文言も据え置きだったので、何も変化がなかった。今後の経済指標次第でQE3を実施するかどうかを判断していく、というように受け取った。

●出口戦略うかがう動き、大震災の影響出てくる次回に注目

 <大和証券キャピタルマーケッツ金融証券研究所 投資戦略部次長 西村由美氏>

 フェデラルファンド(FF)金利の据え置きや6月までの国債買い取り再表明など想定の範囲内との印象だ。労働環境は依然としてやや不安が残り、住宅環境の回復も鈍いが、景気判断を上方修正するなど出口戦略をうかがう動きとみている。

 注目は4月のFOMCだ。今回は東日本大震災に対する直接的な言及はなかったが、今後の世界経済に対する影響が懸念され、次回のFOMCでの文言がどのようになるか見極めたい。

●根底ではハト派寄りの内容

 <みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏>

 原油高の物価への影響は一過性と声明に明記しているので、根底ではハト派寄りの内容だ。今回は雇用情勢を含む景気への表現が随所で上方修正されている。雇用に関しては、大幅に手直しされていて、米連邦準備理事会(FRB)は雇用の改善に自信を持ち始めたこともうかがえる。物価は原油高について詳しく説明したうえで、期待インフレを綿密に注視するということも書き加えている。タカ派に対する配慮が必要な状況になっているようだ。

 ただ、原油高の物価への影響は一過性だとしており、失業率の水準やコアインフレの水準についてもFRBのマンデートに照らして、不十分だということを、今回も繰り返し言っている。結論的にはバーナンキ委員長主導のハト派のグリップが効いており、米量的緩和第2弾(QE2)の現状ペースの続行は間違いないところだ。日本の震災や原発事故による世界的な株安により、タカ派も賛成に回ったと受け止めている。

 円債に対する今回のFOMCの影響は限られ、株価の上下動をにらみながら 円債相場も不安定に推移するとみている。

*コメントを追加して再送します。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up