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鉱工業生産の回復途絶避けられず、3月は1割強の急激な落ち込みか

 [東京 30日 ロイター] 経済産業省が30日発表した2月鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比0.4%上昇の96.4となり、4カ月連続の上昇となったが、これまでの高い伸びの反動もあって伸び率は鈍化した。 

 3月30日、2月鉱工業生産指数速報は前月比0.4%上昇の96.4となり、4カ月連続の上昇となったが伸び率は鈍化した。写真は昨年3月、川崎市の京浜工業地帯で撮影(2011年 ロイター/Issei Kato)

 先行き生産予測は3月が再びしっかりした伸びが示されたが、調査は3月10日締め切りで11日の東日本大震災前となっており、その後に来た回答も震災前の計画から修正されていないため、震災の影響はほとんど織り込まれていない。実際には、3月の生産は自動車や電子部品などを中心に10%以上の急激な落ち込みになるとの見通しが浮上している。

  <本来なら1─3月は高い伸びに>

 2月の生産は、ロイターの事前予測調査の0.3%低下予想を上回ったが、伸び率はこれまでに比べて鈍化した。政策効果の反動からの持ち直しで堅調な伸びが続いてきたが、やや一服感が出たと見られている。経済産業省は生産の基調判断を「持ち直しの動きで推移しているものの、先行きについては東北地方太平洋沖地震の影響に留意する必要がある」とし、とりあえず足元の判断は据え置いた。

 業種別にみると、輸送機械が4カ月連続で力強い伸びとなって全体をけん引。海外需要に加えて国内向け生産も小型車を中心に持ち直した。続いて、一般機械も中国インフラ整備需要などを中心に堅調を維持している。出荷指数は前月比1.7%上昇、在庫指数は1.5%上昇だった。

 先行きの生産予測指数は3月が前月比1.4%上昇、4月が同1.3%低下となった。震災前の計画となっているが、実現していれば1─3月は3期ぶりの上昇に転じ、「震災前の状況なら、前期比4.3%としっかりと持ち直すとの結果が得られていたはず」(野村証券金融経済研究所)だった。

 しかし、実際には生産計画は大幅な下ぶれは避けられそうにない。企業への調査自体も困難が予想される。経済産業省では、3月生産の調査表は東北地方の企業も含め従来通り送付するものの、回答が通常通り集まるかどうか、先行き計画が明確になっているかどうかなど、回収の様子をみたいとしている。

 <自動車と電子部品で3割のウエート、3月生産は10%以上落ち込む見通し> 

 震災の影響で部品調達が困難になるなど、現在は供給ショックが生じている状況。特に自動車や電子部品・デバイスは、サプライチェーンに大きな影響が出て生産停止に追い込まれるケースが相次いでいるが、この2業種だけで鉱工業生産の3割のウエートを占める。

 調査機関では3月の生産について「震災の影響により大幅に落ち込むことは確実な状況」(第一生命経済研究所)との見方が大勢となっている。 

 伊藤忠商事・主任研究員の丸山義正氏は「3月の生産は前月比で二桁減少を余儀なくされる」と見ている。マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏も「自動車などを中心に震災の影響は大きく、現時点では3月の生産は15─20%落ち込む」と予想している。

 もっとも、両氏ともに生産のボトムは3月とみている。村上氏は「4月以降、少しずつ持ち直すとみているが、夏になれば計画停電の影響が懸念されるため、横ばいになるだろう。急速な円安でもない限り、前年比でみて生産は半年にわたって平均で約1割程度落ち込むことになる」との見通しを示した。

 (ロイターニュース 中川泉)

*内容を追加して再送します。

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