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3月景気ウォッチャー調査は震災の影響で過去最大の低下

 [東京 8日 ロイター] 内閣府が8日に発表した3月の景気ウォッチャー調査は、景気の現状判断DIが27.7と前月比20.7ポイント低下し、2000年1月の調査開始以来、最大の落ち込みとなった。調査期間は3月25日─3月末までで、東日本大震災の影響を反映したものとなっている。落ち込み幅はこれまでに例を見ない深さとなり、先行きも同程度の落ち込みが続く見通しで、家計も企業も先行きに強い不安を抱いていることがうかがえる。

 4月8日、内閣府が発表した3月の景気ウォッチャー調査は、景気の現状判断DIが調査開始以来、最大の落ち込みとなった。写真は節電のためネオンが消された東京・秋葉原の電気街。3月18日撮影(2011年 ロイター/Toru Hanai)

 内閣府は、景気ウォッチャー調査の判断の表現を「景気は東日本大震災の影響で急激に厳しい状況になっている」に下方修正した。 

 現状判断DIは、企業動向関連、雇用関連、家計動向関連でいずれも大きく低下した。

 家計動向をみると、地震直後に食料品や防災用品などで高い売り上げを示したものの、物流停滞による商品入荷不足、消費マインドの冷え込みや自粛ムードによる買い控え、飲食、旅行のキャンセル続出、計画停電による営業時間の短縮などから、大幅に低下した。

 企業動向は、一部で復旧需要や被災企業に代わる代替生産のための受注増がみられたものの、生産設備などの損壊や取引先企業の被災、原材料・資機材の供給不足や入荷遅延、原燃料価格高騰によるコスト上昇、計画停電の影響などにより、生産活動に支障をきたしていることなどから大幅に低下した。

 雇用関連では、企業が先行き不安感を持っていること、一部企業で採用や求人の見直し、延期がみられることから大幅に低下した。

 2─3カ月先を見る先行き判断DIは26.6で、前月比20.6ポイント低下と、こちらも過去最大の落ち込み。50の水準を46カ月連続で下回った。

 震災後の復旧需要が期待される一方で、消費者及び企業が今後の経済先行きや停電の状況、福島第1原子力発電所事故による影響などについて不透明感を持っていること、雇用調整の動きが見られることなどが背景となっている。

 地域別にみると、東北地方の現状判断落ち込みが32.1ポイントと一番大きい。「通常での影響ができる状態にない」(コンビニ)、「宿泊客はなく普通の宴会は自粛され、婚礼は延期する客が多くなっており、悪い材料ばかり」(総合ホテル業)など、東北地方の状況は厳しい。

 直接の被害が少ない西日本地域でも現状・先行きともに2ケタの落ち込みとなっている。中国地方や九州地方にも企業活動でサプライチェーン分断の影響が出ているほか、家計関連でも消費自粛の影響は大きく影響している。先行きについても同様で、近畿では「関東での計画停電や消費自粛ムードが終わるまでは状況の悪化が進む」(旅行代理店)、四国でも「消費意欲が低下し来店を敬遠する人がいる。原子力発電所事故や計画停電が収まるまでは厳しい状況が続く」(衣料品専門店)といったコメントが寄せられている。

 今回の調査では東北地方からの回答率も91.4%と、過去1年間の92─96%から大きく低下することはなかった。和田隆志内閣府政務官は「震災直後の厳しい状況の中でもこれだけのウォッチャーが回答してくれた。次回調査では少しでも好転するよう努力するのが政治の役割だ」と、回答内容を精査して対応する姿勢を示した。

 (ロイターニュース 中川泉;編集 石田仁志)

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