[北京 17日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)は17日、預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き上げると発表した。引き上げは今年4度目で、昨年10月以降では7度目。
これにより、大手銀行の預金準備率は過去最高の20.5%に上がる。銀行から約3500億元(536億ドル)の資金が吸い上げられる見込み。
人民銀行のウェブサイトに掲載された声明によると、引き上げは4月21日から実施する。
投資家の間では人民銀行がインフレ抑制を狙った政策引き締めを継続するとの見方が多く、今回の預金準備率引き上げを驚きと受け止めることはなさそうだ。
国信証券のエコノミスト、Lin Songli氏は、「きょうの引き上げ発表は人民銀行の引き締め措置継続を意味する」としたうえで「第1・四半期の国内総生産(GDP)統計は経済が全般に好調なことを示した。このため、まだ引き締めの余地はある」との見方を示した。
中国当局はここ1年、物価上昇が社会不安につながらないよう、インフレ抑制に取り組んでおり、昨年10月以降、基準金利を4回上げたほか、一部のコモディティ(商品)に対する価格統制や不動産投機抑制措置なども講じている。
それでも、国際商品価格の高騰や金余りから物価上昇圧力は根強く、3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比5.4%と2月から加速し、2008年7月以来の高水準を記録した。